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【記者コラム】 くろしお

観光立県へ打撃深刻 宿泊1万8000人キャンセル
(2010年6月17日付)
口蹄疫による観光への打撃が深刻化している。県は16日の県議会・産業振興対策特別委員会で、感染疑い1例目が確認された4月20日から5月31日までに県内ホテル、旅館の宿泊キャンセルが62施設、1万7918人に上ると発表。会議や宴会のキャンセルも32施設、3万3636人に達する。影響は宿泊施設にとどまらず、観光地、ゴルフ場などにも広がり、観光立県の足元を大きく揺るがしている。「いつもなら問い合わせが多い時期だが、まったく電話が鳴らない。あっても取り消しの電話ばかり」。宮崎市青島のホテル関係者は、ため息交じりにこぼす。
7、8月は近くの県総合運動公園を会場とするスポーツイベントで、約4千人が宿泊する予定だった。しかし、イベントは軒並み中止。「これから宮崎に来たいと考えている人も思いとどまるだろう。キャンセルの数以上に、実際の被害は大きい」と嘆く。
発生地域から離れた観光地にも、影響は表れている。JR観光特急「海幸山幸」の運行や「食べあるき・町あるき」事業などで、活気が戻りつつあった日南市飫肥。「日南市観光ガイドボランティアの会」の会員松井裕子さん(65)は「ゴールデンウイーク明けから、県内小中学校の校外学習や、県外からのガイド予約のキャンセルが相次いでいる。出口が見えず不安」と早期終息を願う。
高千穂町は、県境であることや農家の心情に配慮しながらの観光振興策に苦慮。高千穂町観光協会によると、今月はPR広告も自粛し、協会を挙げて防疫作業に力を入れている。同協会の吉本千鶴事務局長(58)は「目立った減少はないが、県外客から『今、そちらに行っても大丈夫ですか』との問い合わせも来始めている」と話す。
ゴルフ場も客離れが進む。宮崎カントリークラブ(宮崎市田吉)は5、6月で約千人がキャンセル。団体客ばかりで、6〜8月の予約もわずかという。坂上昌弘支配人(67)は「このまま長引くと、シーズンである10、11月にも影響が出るかもしれない」と焦りを募らせる。
【写真】口蹄疫の影響で、観光客が減少している日南市の飫肥観光駐車場=16日午後