いやあ、このところ、民主党の輿石東参院議員会長が存在感を増していますねえ。私が最初にこの人の選挙のあり方は問題だと取り上げて6年前は、「輿石who?」という状態でしたが、今ではすっかり民主党の重鎮としてにらみをきかせています。
で、その民主党は昨日の与野党国対委員長会談で、今国会の会期は延長せず、16日に閉じると一方的に通告してきました。もともと菅首相は就任時には、諸法案を通すためにも、国会で予算委員会などの議論の場を確保するためにも、2週間程度の延長を想定していたようですが、それが、支持率が高いうちに選挙に臨みたい参院側の意向で投開票日が変わらない「1~2日」の延長へと縮められた経緯があります。
ところが、予算委員会または党首討論を行うはずの「1~2日」の延長すらやらないと言い出したわけですから、これは見せ場を失う野党側が反発するのも当然です。昨日、今日と代表質問は実施されていますが、質問と答弁とで「間」がある代表質問では、そうそう、相手を追及したり、追いつめたりはできませんしね。
私が今回、興味深いなと感じたのは、この民主党側の延長せずとの通告に対する自民党代議士会での反応です。「菅首相が逃げた」という反応は当然予想されたわけですが、それ以外に
「輿石だ!」「輿石さんに全部、牛耳られた政局だ」
といった声が飛び交ったことが印象深く…。今度の参院選で自身の改選を迎え、当選して日教組出身議員初の三権の長、参院議長になれるかどうかがかかった輿石氏が、すべてに自分の選挙を優先させて動いているという見立てですね。そういえば、鳩山前首相のクビ切りに走り、実際それを成し遂げたのも、輿石氏を中心とした参院議員たちでした。
自民党もつくづく戦闘力がない(なかった?)なと思うのは、5~6年前に産経が輿石氏追及のキャンペーンを張っていたときに、衆院側ではこれを大いに問題視し、国会でも取り上げたのに、審議が参院側に映ると、長年、与野党がなあなあでなれ合ってきた体質をもろに発揮して、一切、輿石氏の問題を取り上げなかったことです。
あのころ、自民党の青木幹雄氏らの部屋に、輿石氏が何度も飛び込んで衆院側の追及をなんとかしろと訴える姿が目撃されていました。衆院と同じく参院側もきちんと取り上げていれば、今頃、輿石氏にこうも悩まされることはなかったでしょうにね。青木氏らは、表では反対しても裏では手を握れる旧社会党系議員を大切にしていました。それで通用する時代も確かにあったのでしょうが、いつまでそれでいいわけないのに。
さて、そんなことを思いながら昨夜帰宅したところ、山梨県の知人から、現在、県内で配布されている輿石氏の後援会(東明会)の加入カードのコピーがファクスで届いていました。6年前の選挙では、教員たちに1人80枚などど厳しいノルマが課されていましたが、監視の目がある今回は教員OBを中心にやっていると聞きます。ともあれ、コピーのファクスなのでかなり画質が悪く、それをさらにデジカメで接写したのでいっそ不気味なものになってしまいましたが、以下のものです。
昨日は北海道教職員組合から違法献金を受けていた民主党の小林千代美衆院議員が、ようやく議員辞職を表明しましたね。「東明会」の会則に「『公正、公平、清潔』な政治の実現を目的とします」と書いてあるのと合わせると、感慨深いものがあります。
さて、私の元に入った情報によると、輿石氏の支持母体である山梨県教職員組合は17日木曜日に、県内の北杜市、韮崎市、旧双葉町(現甲斐市の一部)にある小中学校で、山教組現職教員とOB教員を集め、「教育を語る会」を開くようです。まあ、これは事実上の輿石氏の選対会議ではないかと言われています、要注目ですね。
暑い夏ももうすぐです…。
※追記 自民党の大島理森幹事長は15日の記者会見で、「どうやら輿石参院議員会長がすべてを決めていることが、さまざまな情報から確信を持って言える。かつては小沢一郎氏が後ろで決め、今度は輿石氏が決めているのが民主党の姿だ」と指摘しました。なんだかなあ…。
by danjiki999
菅首相の他人を小馬鹿にした国…