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最終更新:2010年6月10日(木) 20時31分

マンガ規制、都の条例改正案に賛否

マンガ規制、都の条例改正案に賛否

 マンガの表現をめぐって、東京都議会が揺れています。過激な性描写があるマンガやアニメの規制を強化すべきかどうか。条例の改正案については賛否がわかれ、行方は見えないままとなっています。

 「これは黙っていられない。日本の漫画界は危ない」(漫画家 ちばてつやさん)

 「あしたのジョー」のちばてつやさんや、「キューティハニー」の永井豪さん。漫画界の大御所が顔をそろえ、反対の声を上げました。その矛先は、東京都が改正しようとしている「青少年健全育成条例」です。

 「子供の目につくところに置くなというだけの規制をしようとしている」(石原慎太郎東京都知事)

 これまで東京都は、「著しく性的な感情を刺激する」マンガやアニメなどを「不健全図書」に指定し、一般の書籍とわけて販売することを義務づけてきました。今回の改正案は、さらにその網を広げようというものです。

 「親子・小学生を相手にした性交場面がたくさん描かれた漫画がある現状を、かつ、一般書棚に置かれていることを認識していただければと思います」(東京都 櫻井美香青少年課長)

 改正案は、特に「18歳未満のキャラクター」について、その性行為を「みだりに」「肯定的に」描いたマンガについても規制し、子どもが触れないようにするなどの内容です。しかし・・・。

 「モノを作ったことのない人が作った法律。裁く側、検定する側の主観でいくらでも線がぶれるのが一番問題」(漫画家 江川達也さん)

 反対派からは、「条文があいまいなため、拡大解釈され、規制が無制限に広がる恐れがある」と批判が上がっています。これに対し東京都は・・・。

 Q「おっぱいやお尻が見えるシーンなどがあるマンガやアニメは全て規制されるのですか?」
 A「以下のようなマンガなどは、『性交』または『性交類似行為』を描いたものではないので、対象にはなりません。『しずかちゃんの入浴シーン』『ワカメちゃんのパンチラ』『しんのすけがお尻を出すシーン』」

 東京都が具体例を挙げてつくった問答集。「表現の自由」を侵すものではないと強調する東京都ですが、判断の基準などあいまいさは残ったままです。

 「僕も源氏物語を漫画化しましたが、当然、源氏物語を原文に忠実に漫画化すると、18歳未満で当然のように性交するわけですよね」(漫画家 江川達也さん)

 この作品が規制にかかるかどうかについて、東京都の担当者は、「審査の対象になるかもしれないが、必要以上に過激でなければ、不健全図書にあたらない、ということになるだろう」と回答。もし条例が改正されれば、こうしたケースは第三者機関の判断に委ねられます。

 「性の情報が過激であるために 性犯罪が起こることは、子供たちの意見聞いたら、まねしたとか、まねをしたくなったと言っている」(赤枝六本木診療所 赤枝恒雄医師 【規制賛成派】)

 「性的なメディアの発達と犯罪率の増加は全く相関していません」(首都大学 宮台真司教授 【規制反対派】)

 埋まらない賛成派と反対派との溝。今月の都議会でも可決される可能性は低く、議論はまだしばらく続きそうです。(10日17:04)



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