常岡さんタリバン監禁　身代金要求と当局

　アフガニスタンで行方不明になっているジャーナリスト常岡浩介さん（４０）について、反政府武装勢力タリバンがアフガン政府に対し、身代金を要求していることが１７日、アフガン治安当局者の話で分かった。数十万ドル（数千万円）の金額で交渉が推移しているという。

　タリバンは常岡さんの拘束を認める犯行声明を出していないが、治安当局はタリバンに監禁されていると断定。１６日から訪日しているカルザイ大統領は、解放交渉を急ぐよう治安当局などに既に指示したという。当局はこれまでの交渉から、常岡さんの健康状態に心配はないとしている。

　治安当局によると、これまでに在アフガン日本大使館を通じて日本政府も解放交渉を行ったが、タリバンは隣国パキスタンが拘束したタリバンのメンバーらの釈放を要求。交渉は行き詰まり、現在はアフガン政府が交渉を続けている。

　交渉は電話で行われており、タリバン側の窓口はパキスタンから通話しているとみられる。在アフガン日本大使館は「コメントできない」としている。

　常岡さんは、タリバン幹部と接触する目的で訪れたアフガン北部で行方不明になったとみられ、４月１日に「誘拐された」との情報が知人に届いていた。（共同）

　［2010年6月17日11時51分］