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小惑星探査機「はやぶさ」 地球へ帰還

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「ふるさと」地球を目指して宇宙を飛行する小惑星探査機「はやぶさ」の想像図=作画・池下章裕さん JAXA提供
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2010年宇宙の旅:小惑星の岩石採取、新設装置で分析へ

 小惑星探査機「はやぶさ」が13日、地球へ帰還する。はやぶさは05年11月、地球と火星の間の軌道にある小惑星イトカワに着陸し、岩石採取に挑戦。その「成果」を収めたカプセルがオーストラリアの砂漠へ着地する予定で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は「惑星物質試料受け入れ設備」を新設、カプセルの到着を待つ。【永山悦子】

 この設備は、相模原市のJAXA宇宙科学研究所にある。物質をまったく外気に触れない状態で回収・分析できる世界唯一の装置「クリーンチャンバー」を備えた。藤村彰夫教授(惑星科学)は「作業のポイントは、試料を汚さず、なくさないことだ」と話す。

 はやぶさのカプセルは、本体から切り離された後、試料の容器を宇宙空間で密閉した真空状態で着地する。現地で回収後、開封せず日本に運ばれる。

 はやぶさはイトカワ着陸には成功したが、表面の岩石を砕くための弾丸が発射しなかった。それでも、イトカワにはほとんど重力がないため、着陸の衝撃で地表の砂などが舞い上がり、容器に入った可能性がある。カプセル回収に成功し、内部に砂などが入っていれば、人類が初めて手にする小惑星の試料となる。

 しかし入っているとしても、粒子は非常に細かいとみられる。

 藤村さんらは、生き物の細胞の核などを取り扱う装置「マイクロマニピュレーター」を参考に、「特製ピンセット」を開発した。材質は、触れた物質を汚染する可能性が極めて低い石英ガラス。このガラスを熱して両側から引っ張り、ちぎれた部分をピンセットとして使う。幅1000分の1ミリ以下という極細の先端に電圧をかけて静電気を起こし、そこに引き寄せられた粒子を回収する仕組みだ。

 クリーンチャンバー内は高純度の窒素で満たされている。カプセルは、チャンバーの中で開封される。格納された容器の「中身」を、顕微鏡で観察しながら特製ピンセットで拾い上げる。この方法で、粒径5マイクロメートル前後の微粒子まで回収できる。残った粉末も液体を使って集める。カプセル内に気体がある場合は、チャンバーからガス採取用のタンクに導く。

 密閉状態を保てない場合に備えて、落下予定地の砂を事前に分析する。万が一、落下の衝撃でカプセルが破損して地上の砂や空気が紛れ込んでも、これで見分けることができる。

 回収できた試料は、やはり石英ガラス製の容器に保存し、まず国内の初期分析チームが解析する。何が入っていたか、データをカタログに整理し、各国から寄せられた優れた研究テーマの提案者たちに配る。一部は真空の容器に収め、後世のために保存するという。

 先月、米航空宇宙局(NASA)の研究者らが設備を見学に訪れた。第一声は「ビューティフル」。チャンバー内部の構造だけでなく、汚染物質の侵入を防ぐため表面積を最小に設計したコンパクトな外観も美しい、という意味だったという。

 初期分析チームの中村智樹・九州大准教授(太陽惑星系物質科学)は「カプセルを回収できれば確実に成果を出せる態勢を整えた。ぜひ無事に帰ってきてほしい」と話す。

 ◇太陽系の歴史、発見に期待 46億年前、そのままに

 イトカワの砂などを分析することで何が分かるのだろうか。

 小惑星は、太陽系が誕生した約46億年前の姿を今も保ち続けている。小惑星の物質を直接分析することによって、太陽系の歴史や成り立ちについて新たな発見が期待できる。もし、有機物が含まれていれば、生命の起源を考える材料になる。

 地球に落下する隕石(いんせき)は、小惑星からもたらされる物質の代表格だ。だが隕石は大気圏を通過する途中で高温になり、落下後は地球環境にさらされて変質している。はやぶさが持ち帰る物質は、このような熱変化や地球環境による汚染の影響がない。

 カプセルからの物質回収を担当する野口高明・茨城大教授(鉱物学)は「はやぶさが持ち帰る物質は宇宙空間にあった状態そのもの。隕石では分からない細かい物質や表面の状態を確認できるかもしれない。イトカワという特定の小惑星のものであることが分かっているので、隕石の分析を基にしてきた小惑星研究への影響も大きい」と期待する。

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 2010年

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