口蹄疫異例の選挙戦 感染地域は活動制限

(2010年6月17日付)
 
 国会が16日に閉幕し、24日公示、7月11日投開票の参院選日程が確定したことで、宮崎選挙区(改選定数1)でも事実上の選挙戦がスタートした。これまでに現職と新人2人が立候補を表明。政権交代後、初の大型国政選挙となるが、県内では口蹄疫が終息の兆しを見せず、防疫対策で活動が制限される異例の選挙戦となりそうだ。

 宮崎選挙区に立候補を表明しているのは、自民党現職の松下新平氏(43)、民主党新人の渡辺創氏(32)、共産党新人の馬場洋光氏(41)の3人。

 2004年参院選立候補の際に自民を離党、民主の支援を受けて初当選した松下氏は、自民に復党して再選を目指す。自民県連にとっては参院選で久しぶりに「一本化」した候補で、党営選挙による支援態勢を強化する。

 渡辺氏は元全国紙記者で、同選挙区に民主が公認候補を立てるのは初めて。選挙協力をめぐる社民党県連との協議がぎりぎりまで難航したが、両県連など非自民6団体でつくるCNP会議で共闘態勢を4月末に確認した。

 共産党県委員会書記長の馬場氏はこれまでの参院選に3回連続で立候補。「自民でも民主でもだめ」と二大政党を批判し、支持拡大を目指す。

 このほか、みんなの党の渡辺喜美代表が立候補者擁立を検討していることを明らかにしていたが、調整はついていない模様だ。

 県内では4月の口蹄疫発生以降、感染が拡大。全域で防疫作業が続く中、非常事態宣言に基づき外出や集会が自粛されている。従来通りの大規模な集会や車を使った巡回は「感染拡大や有権者の反発を招きかねない」との判断から、活動が小規模な集会や街頭演説などに限定された状況は当面、続きそうだ。

 基礎票となる各業界の政治団体の中には、昨年の政権交代を受けて自民推薦から自主投票や自民と民主双方の推薦に切り替える動きが見られる一方で、口蹄疫対策を優先する県農民連盟など対応を決めていない団体もある。