シューカツ生のドタキャンで空席が目立った企業説明会=大阪市淀川区、後藤写す
就職氷河期の再来といわれるなか、2011年春に卒業予定の大学4年生を対象にした企業説明会で空席が目立つ。予約が殺到し、短時間で定員に達するのに、当日、ドタキャンする就活(シューカツ)生が相次いでいるためだ。なぜなのか――。
大阪市淀川区のホテルで5月下旬にあった中堅住宅機器メーカーの説明会。全席埋まらぬまま、担当者の話が始まった。
同社は説明会の1カ月前、約4千人の学生に予約受け付けの開始を知らせる電子メールを送付。大阪会場は1日に3回(各170人)に分けての開催だったが、いずれも開始後2時間足らずで定員になった。数日かかった例年より、出足が早かったという。
しかし、当日の参加者はそれぞれ87、86、93人。同社は参加できない場合、事前にキャンセルの手続きをするようメールで再三伝えていたが、当日、断りなく欠席した学生が半数近くに上った。このため、多くのキャンセル待ちの学生が参加できなかったという。同社の人事担当者は「欠席を見越して多めに予約を受けることも考えたが、参加者が多くなって学生に立ってもらうのも失礼。うまく席を埋めるのは難しい」と戸惑う。
ほかの企業も同じ経験をしている。「予約受け付け開始3分で定員になったが、当日、空席ができることもあった」(三井物産)、「100人規模の説明会の予約は半日で埋まるが、出席率は7割前後」(近鉄エクスプレス)という。