悪党ばかり 小泉・竹中グループ
2010/6/17 10:00 日本振興銀行が警視庁に捜査され、事件化した。報道によれば、設立者の木村剛前会長(48)も任意で事情聴取され、「その関与が焦点」というから穏やかではないが、考えてみれば、「やっぱりな」である。
●収監されるホリエモン 捜査線上の木村剛…
日銀出身で、金融コンサルタントを経て振興銀を立ち上げた木村剛は、言わずと知れた小泉・竹中人脈のひとりだ。当時の竹中金融相がプロジェクトチームの一員として起用したことで、公式デビュー。「不良債権処理のエキスパート」「金融行政の指南役」みたいに持ち上げた民放テレビもあった。
だが、いざ自分で金融業をやったら、「中小企業救済」どころか利益確保に四苦八苦で、ついにはこのザマだから笑うしかない。小泉・竹中の目は節穴かとなるのだが、よくよく考えれば、グループの人脈はこんなのばかりである。
たとえばホリエモンだ。
「ライブドア事件で逮捕された堀江貴文は、東京高裁の2審でも懲役2年6月の判決を受け、実刑確定、収監が時間の問題になっています。その堀江は小泉規制緩和の中で急成長し、株式分割・交換による企業買収で甘い汁を吸ってきたが、当時の小泉首相は“何か新しい雰囲気を感じますねえ”と持ち上げ、竹中は総選挙に出馬した堀江を応援し、“小泉、堀江、竹中の3人でスクラムを組む”と公言してみせた。今となれば、驚きです。そういえば、木村剛も竹中が参院選に出馬したときには応援演説に駆けつけていますよ。商売に必要なのは政治力、というのが共通認識なんでしょうかね」(経済ジャーナリスト)
日本郵政の西川善文前社長やオリックスの宮内義彦会長も、この小泉・竹中人脈の有名人だ。それが今や、「かんぽの宿」不正売却スキャンダルがもとで追放されたり、社会的制裁を受ける身。本当にロクなのがいない。
民営化だ、規制緩和だ、不良債権処理だと言って、小泉・竹中路線をPRして権力内にもぐり込み、情報を握り、儲けをたくらむ――。これじゃあ、後年、事件化しない方がおかしいというものだ。
経済アナリストの菊池英博氏が言う。
「小泉・竹中とそのグループの共通項は、弱肉強食の市場原理主義。何をやっても、儲けた者が勝ちという考え方だし、日本市場を米国に差し出すために、構造改革と称してシステムを壊すことが狙いだった。それで日本はどうなったか。格差拡大、地方切り捨て、金融衰退で、日本を大不況にしてしまった。周りにいた悪党たちをとっちめるのもいいが、張本人の小泉・竹中こそ断罪すべきなのです。このA級戦犯を野放しにして、マスコミはまだチヤホヤしているものだから、日本にまた“市場原理”という伝染病が広がってきているのです」
菅新政権は、この小泉路線に似てきたという指摘が多い。自戒しないと、いずれ、とんでもないことになる。
(日刊ゲンダイ2010年6月14日掲載)
●収監されるホリエモン 捜査線上の木村剛…
日銀出身で、金融コンサルタントを経て振興銀を立ち上げた木村剛は、言わずと知れた小泉・竹中人脈のひとりだ。当時の竹中金融相がプロジェクトチームの一員として起用したことで、公式デビュー。「不良債権処理のエキスパート」「金融行政の指南役」みたいに持ち上げた民放テレビもあった。
だが、いざ自分で金融業をやったら、「中小企業救済」どころか利益確保に四苦八苦で、ついにはこのザマだから笑うしかない。小泉・竹中の目は節穴かとなるのだが、よくよく考えれば、グループの人脈はこんなのばかりである。
たとえばホリエモンだ。
「ライブドア事件で逮捕された堀江貴文は、東京高裁の2審でも懲役2年6月の判決を受け、実刑確定、収監が時間の問題になっています。その堀江は小泉規制緩和の中で急成長し、株式分割・交換による企業買収で甘い汁を吸ってきたが、当時の小泉首相は“何か新しい雰囲気を感じますねえ”と持ち上げ、竹中は総選挙に出馬した堀江を応援し、“小泉、堀江、竹中の3人でスクラムを組む”と公言してみせた。今となれば、驚きです。そういえば、木村剛も竹中が参院選に出馬したときには応援演説に駆けつけていますよ。商売に必要なのは政治力、というのが共通認識なんでしょうかね」(経済ジャーナリスト)
日本郵政の西川善文前社長やオリックスの宮内義彦会長も、この小泉・竹中人脈の有名人だ。それが今や、「かんぽの宿」不正売却スキャンダルがもとで追放されたり、社会的制裁を受ける身。本当にロクなのがいない。
民営化だ、規制緩和だ、不良債権処理だと言って、小泉・竹中路線をPRして権力内にもぐり込み、情報を握り、儲けをたくらむ――。これじゃあ、後年、事件化しない方がおかしいというものだ。
経済アナリストの菊池英博氏が言う。
「小泉・竹中とそのグループの共通項は、弱肉強食の市場原理主義。何をやっても、儲けた者が勝ちという考え方だし、日本市場を米国に差し出すために、構造改革と称してシステムを壊すことが狙いだった。それで日本はどうなったか。格差拡大、地方切り捨て、金融衰退で、日本を大不況にしてしまった。周りにいた悪党たちをとっちめるのもいいが、張本人の小泉・竹中こそ断罪すべきなのです。このA級戦犯を野放しにして、マスコミはまだチヤホヤしているものだから、日本にまた“市場原理”という伝染病が広がってきているのです」
菅新政権は、この小泉路線に似てきたという指摘が多い。自戒しないと、いずれ、とんでもないことになる。
(日刊ゲンダイ2010年6月14日掲載)
2010/6/17 10:00 更新