「叱る」と「怒る」の違い

 近頃、叱ることのできる人が少なくなったということを時々耳にする。「叱る」ことと「怒る」こととは似ているようでかなり異なる。「人を叱る」というのは、相手のためを思って心に余裕があって行えることであり。「怒る」というのは、感情の赴くままに感情を爆発させた状態である。

 「叱る」ことの裏側には、指導する人と指導される人という暗黙の関係があって成り立つものでもあろう。更に言えば「叱る」ことができるためには、その人に対する愛情と、確信に近い確固たる価値観、人間観、処世知といったものがなければできることではないであろう。

 したがって、叱ることのできる人が少なくなったというのは、人に対する愛情が少なくなったか、確固たる価値観を持てなくなったか、心に余裕のある人が少なくなったかの何れかが原因なのであろう。民主主義が普及したせいか、悪平等主義がはびこったせいか、はたまた「徳育」が死語になったせいか分からないが、叱ること、叱ることのできることを大切に考えたいものである。

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中西 寛

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