東アジアのどの国も日本を攻撃しようなどとは考えないだろう
「東アジアのどの国も日本を攻撃しようなどとは考えないだろう」と
米国の著名な国際政治・東アジア研究者のチャルマーズ・ジョンソン氏が、日本の「ダイヤモンド」誌(オンライン)のインタビューで語っています。
今年の5月初めのことですから、「旧聞」ともいえますが、知らない人にとっては「ニュース価値」があるでしょう。
ネット上で公開されていますが、登録(無料)しないと全部は読めないので、
ちょっと手間を掛けてでも、直接ダイヤモンドのサイトで読んでみてください。
http://diamond.jp/articles/-/8060
阿修羅のサイトに投稿されていますが、
http://www.asyura2.com/10/warb4/msg/374.html
更にひろく読まれるように、ここにも改めて転載します。
ところで、菅直人新首相が鳩山前首相がやった「日米合意」を踏襲する、と言ったことで、「裏切り」だとか「沖縄を棄てた」とか騒ぐ向きもありますが、「辺野古」に新基地建設ができないことは、もうみんなが知っています。
(写真:名護市長選挙の前日2010年1月23日に、辺野古の浜でCNBCテレビのインタビューに応える安次冨(あしとみ)浩さん。座り込みを3千日でも4千日でも続ける覚悟は堅い)
関連過去記事JANJAN【コラム】安住るりの昭和史瑠璃色眼鏡
名護市民よ「ダメ押しの一票」を投じよう!2010年01月21日
http://www.janjannews.jp/archives/2377097.html
【コラム】安住るりの昭和史瑠璃色眼鏡
「沖縄南北縦貫鉄道」建設が沖縄経済自立の背骨になる 2010年01月29日
http://www.janjannews.jp/archives/2463143.html
菅さんも小沢さんも「辺野古新基地建設」は反対です。キャンプ・シュワブ近辺のどの案でも、ジュゴンの海を破壊しますから。菅さんは、スキューバダイビングの愛好者で、日本でも有数の美しい海を破壊するはずがありません。
(したくてもできません)
参院選後に、民主党政権がアメリカにどう交渉していくか、見ていきましょう。
もしも海兵隊が「普天間基地」に居座ったとしても、あの飛行場は、★あと十年ほどで耐用期限が切れます。造りなおすカネを米軍は持っていませんし、そんな工事を沖縄県が許しません。★現状でも違法な飛行場なのですから。
6月9日に東京で「琉球新報」の政治部長(といっても40代の気鋭の記者・論説委員)松元剛氏の講演をききました。本土のメディアは殆ど伝えませんが、沖縄の怒りは高まるばかりです。
(写真:琉球新報の見開き記事)
「ダイヤモンド・オンライン」にチャルマーズ・ジョンソン氏は、こう述べています。
「普天間問題で日米関係がぎくしゃくするのはまったく問題ではない。日本政府はどんどん主張して、米国政府をもっと困らせるべきだ。これまで日本は米国に対して何も言わず、従順すぎた。日本政府は米国の軍需産業のためではなく、沖縄の住民を守るために主張すべきなのだ。日本人が結束して主張すれば米国政府も飲まざるを得ない。」
安住は去年の夏からJANJANに書いてきました。
普天間・辺野古問題で、日本側に弱みはない。慌てる必要もまったくない。
焦っているのは米軍側だ。日本政府は「思いやり予算を減らす」ことを示唆すればいいのだ、と。
以下にジョンソン氏の発言を全文引用します。
*****
チャルマーズ・ジョンソン
Chalmers Johnson
著名な国際政治・東アジア研究者。米国の覇権主義、軍事優先主義を厳しく批判した著書が多く、東アジアにおける米国の帝国主義的政策は必ず報復を受けると分析した”Blowback”(邦題「アメリカ帝国への報復」(2000年、集英社)はベストセラーに。カリフォルニア大学で政治学博士号を取得し、同大学で教授、政治学部長、中国研究センター所長などを歴任。その後、日本および環太平洋地域の国際関係を研究する民間シンクタンク“日本政策研究所” (JPRI)を設立。
撮影:雨宮和子/インフォネット
元CIA顧問の大物政治学者が緊急提言
「米軍に普天間基地の代替施設は必要ない!日本は結束して無条件の閉鎖を求めよ」
独占インタビュー チャルマーズ・ジョンソン 日本政策研究所(JPRI)所長
普天間基地問題の決着期限が迫るなか、鳩山政権は辺野古沿岸につくる桟橋滑走路と、徳之島の既存の空港を併用する移設案を提案した。しかし、地元や米国側の同意を得られる見通しは立っておらず、日本国内は鳩山政権批判一色に染まっている。しかし批判するだけでは何も変わらない。そもそも同基地の代替施設の不要論は米国内にもある。東アジア研究の大家で、CIAの顧問を務めた経験もあるチャルマーズ・ジョンソン 元カリフォルニア大学政治学教授は、日本国内にはすでに十分すぎる米軍基地があり、日本国民は結束して普天間基地の無条件閉鎖を求めるべきだと提言する。
(聞き手/ジャーナリスト・矢部武)
―鳩山政権は普天間問題で窮地に立たされているが、これまでの日米両政府の対応をどう見るか。
まったく悲劇的だ。両政府は1995年の米兵少女暴行事件以来ずっと交渉を続けてきたが、いまだに解決していない。実を言えば、米国には普天間飛行場は必要なく、無条件で閉鎖すべきだ。在日米軍はすでに嘉手納、岩国、横須賀など広大な基地を多く持ち、これで十分である。
そもそもこの問題は少女暴行事件の後、日本の橋本首相(当時)がクリントン大統領(当時)に「普天間基地をなんとかしてほしい」ということで始まった。この時、橋本首相は普天間飛行場の移設ではなく、無条件の基地閉鎖を求めるべきだったと思う。
―普天間を閉鎖し、代替施設もつくらないとすれば海兵隊ヘリ部隊の訓練はどうするのか。
それは余った広大な敷地をもつ嘉手納基地でもできるし、あるいは米国内の施設で行うことも可能だ。少なくとも地元住民の強い反対を押し切ってまでして代替施設をつくる必要はない。このような傲慢さが世界で嫌われる原因になっていることを米国は認識すべきである。
沖縄では少女暴行事件の後も米兵による犯罪が繰り返されているが、米国はこの問題に本気で取り組もうとしていない。日本の政府や国民はなぜそれを容認し、米国側に寛大な態度を取り続けているのか理解できない。おそらく日本にとってもそれが最も簡単な方法だと考えているからであろう。
■フランスならば暴動が起きている
―岡田外相は嘉手納統合案を提案したが、米国側は軍事運用上の問題を理由に拒否した。
米軍制服組のトップは当然そう答えるだろう。しかし、普天間基地が長い間存在している最大の理由は米軍の内輪の事情、つまり普天間の海兵隊航空団と嘉手納の空軍航空団の縄張り争いだ。すべては米国の膨大な防衛予算を正当化し、軍需産業に利益をもたらすためなのだ。
米軍基地は世界中に存在するが、こういう状況を容認しているのは日本だけであろう。もし他国で、たとえばフランスなどで米国が同じことをしたら、暴動が起こるだろう。日本は常に受身的で日米間に波風を立てることを恐れ、基地問題でも積極的に発言しようとしない。民主党政権下で、米国に対して強く言えるようになることを期待する。
―海外の米軍基地は縮小されているのか。
残念ながら、その動きはない。米国は世界800カ所に軍事基地を持つが、こんなに必要ない。世界のパワーバランス(勢力均衡)を維持するためなら、せいぜい35~40の基地で十分だ。米国政府は巨額の財政赤字を抱え、世界中に不必要な軍事基地を維持する余裕はないはずだ。
―日本では中国や北朝鮮の脅威が高まっているが。
日本にはすでに十分すぎる米軍基地があり、他国から攻撃を受ける恐れはない。もし中国が日本を攻撃すれば、それは中国にこれ以上ない悲劇的結果をもたらすだろう。中国に関するあらゆる情報を分析すれば、中国は自ら戦争を起こす意思はないことがわかる。中国の脅威などは存在しない。それは国防総省や軍関係者などが年間1兆ドル以上の安全保障関連予算を正当化するために作り出したプロパガンダである。過去60年間をみても、中国の脅威などは現実に存在しなかった。
北朝鮮は攻撃の意思はあるかもしれないが、それは「自殺行為」になることもわかっていると思うので、懸念の必要はない。確かに北朝鮮の戦闘的で挑発的な行動がよく報道されるが、これはメディアが冷戦時代の古い発想から抜け出せずにうまく利用されている側面もある。
―米軍再編計画では普天間の辺野古移設と海兵隊のグアム移転がセットになっているが、辺野古に移設しない場合、グアム移転はどうなるのか?
米国政府はグアム住民の生活や環境などへの影響を十分に調査せず、海兵隊の移転計画を発表した。そのため、グアムの住民はいま暴動を起こしかねないぐらい怒っている。グアムには8千人の海兵隊とその家族を受け入れる能力はなく、最初から実行可能な計画ではなかったのだ。
―それでは米国政府が「普天間を移設できなければ議会が海兵隊のグアム移転の予算を執行できない」と強く迫っていたのは何だったのか。
自らの目的を遂げるために相手国に強く迫ったり、脅したりするのは米国の常套手段である。
―海兵隊をグアムに移転できない場合、米国政府はどうするか。
おそらく米国内に移転することになろう。それでも海兵隊部隊の運用上、問題はないはずだ。
―日本では普天間問題で日米関係が悪化しているとして鳩山政権の支持率が急降下しているが。
普天間問題で日米関係がぎくしゃくするのはまったく問題ではない。日本政府はどんどん主張して、米国政府をもっと困らせるべきだ。これまで日本は米国に対して何も言わず、従順すぎた。日本政府は米国の軍需産業のためではなく、沖縄の住民を守るために主張すべきなのだ。
■日本人が結束して主張すれば米国政府も飲まざるを得ない
―米軍基地の大半が沖縄に集中している状況をどう見るか。
歴史的に沖縄住民は本土の人々からずっと差別され、今も続いている。それは、米軍基地の負担を沖縄に押しつけて済まそうとする日本の政府や国民の態度と無関係ではないのではないか。同じ日本人である沖縄住民が米軍からひどい扱いを受けているのに他の日本人はなぜ立ち上がろうとしないのか、私には理解できない。もし日本国民が結束して米国側に強く主張すれば、米国政府はそれを飲まざるを得ないだろう。
―今年は日米安保50周年だが。
日本にはすでに世界最大の米海軍基地(横須賀)があり、各地に空軍基地も存在する。これ以上の基地は必要ない。東アジアのどの国も日本を攻撃しようなどとは考えないだろう。日本政府は巨額の「思いやり予算」を負担している。自国の外交・防衛費をすべて負担できない米国のために、日本が同情して払っているのだ。
―普天間問題を解決できなければ両政府がどんなに同盟の深化を強調してもあまり意味がない、との指摘もあるが。
それは米国が軍事力優先の外交を展開しようとしているからである。一般の米国人は日本を守るために米国がどんな軍事力を持つべきかなどほとんど関心がないし、そもそも米国がなぜ日本を守らなければならないのか疑問に思っている。世界で2番目に豊かな国がなぜこれほど米国に頼らなければならないのか理解できない。それは日本人があまりに米国に従順で、イージーゴーイング(困難を避けて安易な方法を取る)だからではないか。
(引用、以上)
2004年初めからJANJANに記事を出しています。
消えてしまったOhmynews の記事の一部や、PJ News への投稿記事を、ライブドアブログに保存しています。たまに更新します。
【安住るり★興味津々】(http://blog.livedoor.jp/ruri1946/)
OhmyNews の仲間の遊び場はオーマイヒューズです。(http://ohmyfuse.com/ )るりばば「戯れ歌」シリーズ
【ご意見板】7 件の書き込みがあります
自主防衛の「じ」も出てこないな。
米軍撤退を叫ぶのは別にかまわないが、その後のことを考えてない連中ばかりだから説得力がない。
チャールズマン・ジョンソンって、田中宇並のトンデモ論者……あ、安住記者は田中信者だった。
ところで、安住さんのあいだまで「日本の海兵隊は全部グアムに移転する」と主張していたじゃない。グアムは海兵隊全部どころか、現行計画の8000人も受け入れる余地がないって言ってるよチャールズさん。
何か意見は無いの?
突き詰めて言えば、「東アジア地域の安定」でしょう。
日本は攻撃されないかもしれませんが、台湾は攻撃されるかもしれません。北朝鮮が暴発して、「ソウルを火の海に」するかもしれません。
昔、「日本列島、日本人だけの所有物じゃない」と言った人がいましたが、日本人は、「日本が攻撃されるか云々」という小異よりも、アジア全体という大同を「学習すればするほど勉強すれば」するほど、出した結論だったんでしょうね。
もちろん、沖縄1県に負担を押し付けるのは、反対ですが、9条信者はそのお題目が結局、沖縄に基地を押し付けてしまっているということに早く気が付いてほしいです。
アメリカが欲しいのは親友であって子分ではない。日米合意を葬り去ることによって、真の日米友好・日米新時代が始まる。また、冷戦終結後のパラダイムシフトに立ちすくむ日本外交を覚醒する事ができる。昨日、伊波宜野湾市長が、絶対に埋立免許を許可しないための知事選立候補を示唆した。八代記者が指摘されるように、後は特例法による埋立免許の国移管だろう。これによって埋立を強行すれば現場は面白いことになる。政府は祖国防衛のために人口の4分の1をすり減らした沖縄県民の、自己犠牲を恐れぬ愛国心を思い知ることだろう。日本がようやく躍動の季節を迎えつつある。
6.z 2010年 6月 17日
4.大城 洋 さん
あなたも沖縄の海兵隊は全部グアムに行くっていってたじゃない。
チャールズマン・ジョンソンとは対立する意見のはずでしょ。
本記事は論評に値しない、内容以前の問題記事です。
全文約4,700字(wordカウントによる。URLも1字と数える)のうち、3分の2超となる3,300字がチャルマーズ・ジョンソン氏の論説の転載。しかも全文引用。著作権を侵害しまくっています。
安住さん、著作権法を目を皿のようにして読みなおしては如何。
(以上)
ついでに。
安住さんの「記事」は、著作権法と同法の関連判決を意識して作成されたであろう、JANJANの投稿規定にも違反している。