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トイレは素手できれいに・八潮高「掃除に学ぶ会」

2010.6.14(八潮市)
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 トイレの便器を素手できれいにしなさいと言われたら大抵の人は躊躇することだろう。県立八潮高校(中島友一校長、生徒数541人)で6日、トイレを素手で磨き上げることで心を磨く「第4回八潮高校掃除に学ぶ会」が開催され生徒123人を含む172人が参加した。八潮高校PTA主催、草加・八潮掃除に学ぶ会、日本を美しくする会ほか共催。
 06年、教員11人がさいたま市ほかの「掃除に学ぶ会」に参加、この感動を生徒たちにも味合わせたいと考えたことから始まった同校の「学ぶ会」。まず素足で学校のトイレに入ることに抵抗を感じるが、膝をつき2時間、ただ黙々と便器を磨き上げると「ためらい」や「嫌悪」は「清々しさ」と「達成感」に変化していく。
 参加は2回目だという堀内武大さん(剣道部・3年)は「汚れがどんどん取れていくのがとても気持ちいい。武道をする上でも、こうした掃除や身の回りからきれいにしていくことが大切だと思う」とその場限りではない何かを学んだようだ。初めて参加した父親は「“やらされている”から“やらなくてはいけない”という生徒たちの意識の変化を感じた。この会に参加した全員はゴミを捨てることはしないし、トイレの使い方も考えると思います」と体験することのすばらしさを語った。父親の参加は今回が初めて。担当の村田陽教諭は「子どもと父親が共に一緒に掃除をやることで、子どもの顔をみてほしい」と父親の参加を呼びかける。
 中島校長は「集団行動は身に付いている生徒たちだが、ひとりになっても自主的に行動することを学ぶ機会でもある」という。トイレ掃除の目的はいわば目に見えない精神の修行。NPO法人日本を美しくする会(鍵山秀三郎相談役=イエローハット創業者=)は掃除をすることによって@謙虚な人になるA気づく人になれるB感動の心を育むC感謝の心が芽生えるD心を磨くことを提唱している。汚いものをそのままにしておけば何も変化はない。身近な場所、それも毎日必ず行く場所は心の鏡でもある。果たして自身の鏡はどうだろうか。

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