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宇宙ヨット:「イカロス」帆を広げる…金星に向かって飛行

広げられたイカロスの帆(写真奥)。カメラのある手前の本体から、テザー(帆綱)や電線などが見える=JAXA提供
広げられたイカロスの帆(写真奥)。カメラのある手前の本体から、テザー(帆綱)や電線などが見える=JAXA提供

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は11日、燃料なしに太陽の光の圧力を受けて飛行する宇宙ヨット「イカロス」が帆を広げることに成功したと発表した。現在、地球から約800万キロ離れた宇宙を金星に向かって飛行している。地球周辺以外で世界初めてとなる宇宙ヨットの航海が本格的に始まった。

 イカロスは5月21日、金星探査機「あかつき」と一緒にH2Aロケットで打ち上げられた。帆は14メートル四方で、髪の毛の太さの10分の1という極薄の樹脂製。1円玉の5分の1の重さに当たる光の圧力を受けて進む。

 帆は、打ち上げ時に直径1.6メートルの円筒状の本体に収められていた。今月3日から地上からの無線の指示で展開作業が始まり、10日にすべて完了した。慎重に確認を繰り返し、計画より6日遅れとなったが、今のところトラブルはないという。

 広げた帆を本体から撮影した画像も公開された。今後、本体からカメラを切り離し、帆全体を撮影する。開発に当たってきた森治JAXA助教は「いよいよ航海が始まる。向きを変えたり、さまざまな観測や実験に挑みたい」と話す。【山田大輔】

毎日新聞 2010年6月11日 11時18分(最終更新 6月11日 17時35分)

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