宇宙航空研究開発機構(JAXA)は16日、燃料なしに太陽の光の圧力を受けて飛行する宇宙ヨット「イカロス」が帆を全開した写真を初めて公開した。中央の円筒形の本体から放出された使い捨てカメラで撮影することに成功。漆黒の宇宙空間に広げた帆が輝いてみえる。
イカロスは現在、地球から約1000万キロ離れた宇宙を金星に向かって飛行中。帆は14メートル四方で、通電すると縁の部分が透明になって光の圧力を受けなくなり、ヨットの進路を変えることができる。開発した森治チーム長は「破れなどがなく、帆が完全に展開したことを確認できた。今のところ100点以上の出来」と話す。
イカロスは、5月21日に金星探査機「あかつき」とともにH2Aロケットで打ち上げられ、今月11日に帆を全開した。【山田大輔】
毎日新聞 2010年6月16日 18時42分(最終更新 6月16日 19時28分)