まさか!無敵艦隊スペイン、スイスに撃沈される
◆南アW杯第6日 ▽1次リーグH組 スペイン0-1スイス(16日・ダーバン) 無敵艦隊、アルプスの山国の前に沈む-。優勝候補の一角・スペインが、またも初戦で足をすくわれた。スイスを圧倒的に攻め立てながら、ワンチャンスで奪われた1点を最後まで返すことができず0-1の黒星。悲願のW杯制覇へ、暗雲たちこめるスタートとなった。
スペインは終始ボールを支配してスイス陣内で試合を進め、再三ゴールに迫る。前半24分、DFピケ(バルセロナ)がGKと1対1となる大チャンスも、ベナーリョ(ヴォルフスブルク)がナイスセーブ。さらに、前半終了間際にはFWビジャ(バルセロナ)が左サイドから突進するも、ゴール前でループ気味に浮かせたボールはゴールマウスをとらえきれず。スイスもペナルティーエリア周辺ではイエローカード覚悟の激しいディフェンスで対抗し、0-0で前半を折り返した。
そして後半7分、スイスは自陣左サイドからの長いボールにFWデルディヨク(レバークーゼン)が突進。GKカシジャス(Rマドリード)のセーブにデルディヨクははじき飛ばされて転倒したものの、虚をつかれたスペインDF陣も態勢を立て直せず、こぼれたボールに詰めたMFフェルナンデス(サンテティエンヌ)が押し込んだ。
まさかの展開に、スペインは後半15分、ついに故障を抱えベンチスタートだったエースFWフェルナンドトーレス(リバプール)を投入。なりふりかまわず得点を奪いにきた。後半32分にはさらにFWペドロ(バルセロナ)も投入。スペインの攻撃はさらに激しさを増し、シュートの雨を降らせるが、スイスも体を張った守備でゴールを死守し、そのままタイムアップ。
温存していた主力を投入せざるを得なくなった上、自慢の攻撃力が空回り。ボール支配率63%、シュート24本を浴びせながらゴールを割れず、あまりに痛い敗戦となった。
スイスは高い守備力とサイド攻撃からの高い得点力という持ち味を存分に発揮し、イエローカードを4枚もらいながらも、日本代表MF長谷部のチームメートでもあるGKベナーリョを中心にスペインを完封。バイエルン・ミュンヘンを欧州CL優勝に導いたドイツの名将・ヒッツフェルト監督にとっても、無敵艦隊にひとあわ吹かせる会心の勝利だった。
スペイン・デルボスケ監督「われわれはカウンターを除いて試合を支配していた。しかし、まだW杯は終わっていない。残り2試合に勝たないといけない」
[2010/6/17-01:17 スポーツ報知]