中日スポーツ、東京中日スポーツのニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 中日スポーツ > プロ野球 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【プロ野球】

横浜内川 プロ初の満塁弾 連敗を9で止める

2010年6月16日 紙面から

◇横浜5−2ソフトバンク

 9連敗中の横浜を救ったのは、やはり内川だった。「みんながつくったチャンス。どんな当たりでもいい。知るかと思って打った」。4回2死満塁。弾丸ライナーが左翼席で弾むのを確かめると、右の拳をグッと握り締めた。若林貴世志オーナー(67)が見守る“御前試合”でプロ初のグランドスラムの離れ業だ。

 負ければ2年ぶりの10連敗。交流戦史上最低勝率も更新する大ピンチだった。起死回生の一撃の裏では、サッカーW杯日本代表に勇気をもらっていた。前夜は自宅でカメルーン戦を観戦。決勝点を決めた本田に感銘を受けた。「有言実行というか、言ったことに責任を持てる選手が点を決められるんだなって」。連敗中は「僕が打てなかったせい」と責任を背負っただけに、チームを救った若きエースが余計にまぶしかった。

 5月には女子ゴルフのサロンパスカップ観戦のため茨城県まで出向き、全米ツアーで活躍する宮里藍と親交を深めたこともある。「他のスポーツで輝いている選手は尊敬のまなざしで見ている」という内川。他競技のトップアスリートから受ける刺激が充実の打撃の原動力になっている。

 内川の一打で連敗を止め、緊急視察した若林オーナーも「よく打ってくれた。勝ったから何も言いません」と笑顔。交流戦は3年連続6勝18敗で最下位。リーグでも依然最下位と苦しい状況に変わりはないが、今後に希望を持たせる満塁弾だった。 (臼杵秀之)

 

この記事を印刷する


中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ