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【大相撲】

琴光喜が名古屋場所出場辞退 口止め料300万円脅し取られた

2010年6月16日 紙面から

緊急理事会後の会見冒頭、頭を下げる(左から)陸奥生活指導部長、武蔵川理事長、出羽海事業部長

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 大関琴光喜(34)=佐渡ケ嶽部屋=が野球賭博にかかわっていることを認めた騒ぎから一夜明けた15日、日本相撲協会は緊急理事会を開催。師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)からの申し出で、琴光喜の謹慎と名古屋場所(7月11日初日、愛知県体育館)の出場辞退が決まった。協会は琴光喜を含む延べ65人の処分について、今のところ「厳重注意」としているが、警察の捜査によって上乗せされる可能性がある。その一方で、琴光喜は暴力団関係者と見られる男から、賭博の口止め料として現金300万円を脅し取られていたことが分かった。

 力士の本場所出場辞退は、時津風部屋の力士死亡事件の際に幕下以下の力士が出場辞退した例はあるが、関取、ましてや大関となると協会広報部でも把握できない前代未聞のこと。理事会後の記者会見で武蔵川理事長は「琴光喜の名古屋場所出場辞退の申し出があり、承認しました」と語った。また、理事長は琴光喜が野球賭博を認めるまでの流れを説明した。それによると、自己申告のアンケートを提出することになっていた14日に先立ち、前日の13日に理事長のもとを訪れ、野球賭博の事実を告白したという。そうなると、先月27日の理事会で野球賭博を否定したことが虚偽の発言となる。理事会ではそのことを問題提起した理事もいた。

 野球賭博に絡み、暴力団から恐喝されていたことを「事実だと思います」と理事長は話したうえで、「脅されていたことを含め家族も自分も危険ということもあって、なかなか正直に認めることができなかったということだろう。反省、後悔もしていた」と寛容な態度を見せた。

 野球賭博や花札、マージャンなどしていた琴光喜を含めた延べ65人に対し、理事会は処分せず、厳重注意のみにとどめるという“甘い”措置。ただし、これは“ひとまず”の対応。今後の捜査を警視庁に委ねているため、その結果によって解雇を含む厳罰が下される可能性がある。

 「65人がばくちをしていたことは遺憾ですよ。世間に申し訳ない気持ちでいっぱい。うみを全部出しきって、暴力団との付き合いは一切しない、させない。今後は厳しい対応をしていく」。理事長は暴力団とのつながりが明らかになれば、容赦なく処罰していく方針を明らかにした。また、協会上層部の処罰を問う質問に対しても「そういうことを含めて考えていく」と話した。

 

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