パーフェクトなんて、狙ってできるものではない。でも投手である以上、常に最高の結果は求める。16日の先発が有力な山井。ナゴヤドームでの日本ハム戦は07年11月1日、日本シリーズの第5戦で8イニングを完全に抑えて以来の登板となる。
「シリーズ以来? 昔の話はいいですよ。どこで投げるかわかりませんが、どの試合でも思い切って投げるだけです」
そう苦笑いした山井だが、相手を研究し、抑えるイメージは描いてきた。「土、日の試合でも甘い球は積極的に見逃さずに来ていました。失投は逃さずに打ってくるので、自分の投球をできるようにしたいです」。12、13日の札幌遠征に帯同し、目の前で日本ハム打線の特徴はつぶさに見てきた。
相手の研究ばかりでなく、好調を取り戻そうと自分と向き合ってきた。前回登板となる6日の西武戦(ナゴヤドーム)では4回まで無失点に抑えながら、続く2イニングで3失点。結局は敗戦投手になってしまった。「抑えているときは、テンポよく投げていました。テンポよく、どんどん投げていきたい」。自分のペースさえ保てば、150キロ前後の速球とスライダーが威力を発揮すると信じている。この日はナゴヤドームでの練習でキャッチボールなどで最終調整。
07年の日本シリーズでは、山井の後を受けた岩瀬が9回を3者凡退に抑え、日本一が決まった。あれから958日目。今度は岩瀬の250セーブがかかった試合。山井は再び、球史の節目に立ち会おうとしている。 (清水裕介)
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