軽めの調整で練習を終えた岩瀬=ナゴヤドームで(中村千春撮影)
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落合竜の窮地をあのパーフェクトリレーコンビが救う!? 名球会入りする通算250セーブに王手をかけている岩瀬仁紀投手(35)と、16日の日本ハム戦(ナゴヤドーム)での先発が予想される山井大介投手(32)が15日、ナゴヤドームで調整。岩瀬が本拠地での偉業達成に意欲を燃やせば、先発すれば2007年の日本シリーズ第5戦以来のナゴヤドームでの日本ハム戦となる山井は、あの8イニングパーフェクトの再現を狙う。
あえて口に出すことはなかった。1度失敗している身、しかも自分の力ではどうすることもできない。ただ、王手をかけたまま再びナゴヤドームに帰ってきた。野球の神様がくれたチャンス、通算249セーブの岩瀬が静かに偉業達成を狙う。
「ナゴヤドームで1回失敗しているからね。だから本拠地で達成したいなんて言えないよ。今はどこであろうとそういう機会があれば期待に応えたい。それしかない」
2点リードで迎えた7日の西武戦(ナゴヤドーム)ではまさかの3失点で負け投手。以降、チームは仙台、札幌の遠征で1勝3敗と負け越すなどセーブ機会は訪れなかった。そんな中、16日は地方ゲームの振り替え試合となる日本ハム戦。当初の予定にはなかったナゴヤドームでの一戦を前に心境を説明した。
ベンチの裏で準備を整えてきた。12、13日の日本ハム戦(札幌ドーム)は2試合連続の0封負け。序盤に大量リードを許しただけに本来ならブルペン入りすらしないが、あえてブルペンで投球練習した。「今年はこういうときが多い。しかも交流戦は試合が少ないからね。しっかり維持していかないと」。はやる気持ちを抑えながら状態をキープしているのだ。
今回は営業サイドの期待も高い。05年から始まった交流戦では球団初となる振り替え試合。日程発表から1週間ちょっとで、シーズン券は関係ないだけに売れ行きは悪い。前売り販売は5000枚ちょっとで当日売りは2万9000枚。「岩瀬さんの250セーブを見たいというファンはいるはずですから」と営業担当者。当日は地上波の中継は深夜。何とか“客寄せ役”になってほしいという願いがある。
「まあ、早く決めたいですね」と話した岩瀬はこの日、軽めの調整でナゴヤドームを後にした。今度こそ地元のファンの前で偉業達成へ。達成すれば借金1のチームにとっても大きな1勝になる。 (兼田康次)
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