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【混迷 参院選十勝】(上)2議席独占

2010年06月15日 13時53分

 投開票日(7月11日予定)まで1カ月を切った参院選をめぐる、十勝の政治情勢を探った。
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民主に縦割りの壁
“盟主不在”で一体感欠く

徳永エリ氏(右)、藤川雅司氏(左)を擁立した民主党。2議席独占に向けて、十勝では石川知裕氏(中央)が運動の核になるはずだったのだが…

 「石川が前面に出ることが得策かどうかわからない。ただ自民党が内部でいろいろやっているときに徳永と藤川で票を出しておき、基盤を作っておきたい」

 十勝の民主党幹部は、参院選を「政治とカネ」がらみで離党した衆院議員石川知裕の“盟主復活”を計るバロメーターと位置づける。

 政権与党として初の国政選挙。民主党は道選挙区に徳永エリと藤川雅司の2人を公認した。徳永は党、農民連盟に連携する新党大地が、藤川は労組がバックアップ、新内閣の支持率回復を受けて2議席独占を狙う。

 ただトラウマも。3年前の参院選、小川勝也が追い風を受けて100万票台に乗った半面、新党大地の多原香里は伸び悩み、自民の伊達忠一を滑り込ませた。新人池本柳次と現職神本三也を擁立した1999年の道議選(十勝支庁区)は、、佐々木恵美子の出馬で混沌(こんとん)となり、道議会副議長だった神本を落とした。戦術が順調にいった例は少ない。

「徳永に流れる」
 徳永選対の十勝事務局長を務める鈴木仁志(市議)の出身母体は、藤川支援の市職員労組。逆に藤川選対の副委員長に名を連ねる稲場千鶴(市議)は、12日に開かれた徳永を応援する女性議員の勝手連「エリリンの会」でマイクを握った。そこかしこにねじれが生じ、後援会を惑わせる。

 「民主党の基本戦略は労農党の三軸。自民党は競い合って票を伸ばす訓練をしてきたが、われわれはできていない。地方組織で縦割りは違和感がある。乗り越えなくてはいけない『壁』かもしれない」と、連合十勝事務局長の木下栄治は語る。

 戸惑いは各組織にも波及。市職労書記長の岡本圭二は「徳永は市長選も合わせると帯広に3回入って集会を開き、組合員の印象にも残っている。しかし藤川は市役所の中を連れ回す時間も与えられていない。どんどん徳永に流れてしまう」と危機感をあらわにする。

 北海道教職員組合の違法献金事件で衆院議員小林千代美(道5区)が14日に辞職表明、政治活動に対する労組の委縮も懸念材料だ。

存在感弱まる石川
 本来、このねじれをただし、運動の核になるのが石川の役割だった。しかし、石川は政治資金規正法違反で起訴され民主党を離党、菅内閣が「政治とカネ」の問題でイメージ回復を図る中、その立場は不安定だ。

 4月の帯広市長選では、民主が推薦する米沢則寿が138票差という薄氷の勝利を得た。大接戦の背景には、石川の不祥事が影響したと指摘されていた。

 後ろ盾の民主党前幹事長小沢一郎が現政権の中枢から外され、石川の存在感が弱まっているのも否定できない。石川本人は参院選の対応について、「連合所属の人には藤川氏を、それ以外の人には徳永氏をとのメッセージを発信し、有権者に判断を委ねたい」とだけ語る。

 「これまでも盟主不在で戦ってきた。支持率が上がっているこのムードのまま進みたい」と、民主党帯広の幹部は語る。

 昨年の衆院選をピークに、徐々に後退してきた党勢に歯止めを掛けられるのか。“盟主”の影が薄い中、戦術の模索が続いている。(敬称略、参院選取材班)

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