【支援策】出荷促進へ支援金 農水省追加対策

(2010年6月16日付)

 本県の口蹄疫問題で、農林水産省は15日、農家などへの追加支援策を発表した。搬出制限区域(半径10〜20キロ)内で家畜の早期出荷を促すため、肥育牛肉専用種では1万9500円などの「出荷促進支援金」を支払う。また、搬出制限区域内などで飼育された家畜に対し、出荷が遅れたことへの対策として肥育牛で1日当たり600円を助成する。さらに、子牛市場閉鎖で子牛が出荷できなくなっていることから、1日当たり400円の支援金も盛り込んだ。

 出荷促進支援金は、これまで「経営再開支援金」としていた助成金で、早期出荷により価値が下がる分の補てん(肥育牛肉専用種では12カ月齢以上28カ月齢未満50万500円など)に加算して支払う。肉用牛繁殖は24カ月齢未満が1万9500円、24カ月齢以上が5万9500円など。豚は種豚が1万8500円、肥育豚は4500円など。また、直ちに販売できない食肉の冷凍保管などに要する経費を助成する。

 出荷遅延対策は、都城市など今月9日以降に新たに設定された区域を除く搬出制限区域と、ワクチン接種を行っていない移動制限区域が対象。肥育牛では、その農家の平均出荷月齢に40日を加えた日数を超え飼養している場合、1頭当たり1日600円を支払う。肉豚は出荷適期を超えた際に枝肉80〜85キロで1頭当たり4千円などを助成する。

 子牛が出荷できなくなっている本県、鹿児島、熊本の3県の農家に対し、餌代などの支援のため子牛1頭当たり1日400円を支払うことも決めた。

 また、口蹄疫の発生により飼料用米などの飼料作物を出荷できない農家に対し、転作奨励などの意味合いから10アール当たり3万5千円を支払う。

 経営再開の資金対策では、殺処分や早期出荷した農家が優良種畜をリース方式で導入する際、金利相当額の2分の1を助成。家畜疾病経営維持資金は全体の融資枠を100億円から300億円に拡大し、貸付限度額を経営再開資金(個人2千万円、法人8千万円)は特別に拡大する措置をとるほか、経営継続資金は1・3倍に引き上げる。

 また家畜共済に関しては、ワクチン接種後に殺処分する加入農家に対して、接種時以降の共済掛け金残期間に相当する掛け金(加入者負担分)を返還し、未加入者との不公平感を是正する。