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印刷2010/06/17 00:00

テストレポート

FFXIV公式ベンチ公開記念。最新GPU+αの全13構成でベンチマークを回してみた

FFXIV公式サイトの告知&説明ページ。体験版ではない点など,いくつか注意事項が書かれている
 速報とその追記でお伝えしたとおり――NVIDIAがややフライング気味だったという点はさておき――2010年6月16日早朝,スクウェア・エニックスは「FINAL FANTASY XIV」(以下,FFXIV)PC版の公式ベンチマークソフト「FINAL FANTASY XIV OFFICIAL BENCHMARK」(以下,FFXIVベンチ)をリリースした。
 6月17日0:00時点では,FFXIV公式サイトに情報が公開されており,NVIDIA Japanのほか,Intelの日本法人であるインテルの特設サイト「7×14」でもダウンロード可能になっている。

FFXIV公式サイトの告知&説明ページ

NVIDIA JapanのFFXIVベンチ配布ページ

インテルのFFXIV特設サイト 7×14


 4Gamerでも何度かレポートをお届けしているとおり,すでにαテストが始まっているFFXIV。「ファイナルファンタジーXI」(以下,FFXI)以来,ファイナルファンタジーの名を冠するMMORPGとしては2作めということで,グラフィックス品質は大幅に強化されており,より美しい見栄えが得られるようになったと同時に,PCにかかる負荷も増大している。そのため,手持ちのPCでFFXIVが動きそうかどうか,気になる人は少なくないだろう。そうした人達にとって待望といえるのが,公式ベンチマークのリリースというわけだ(※実際,PCメーカー側もこれを商機と捉えているようで,例えばゲーマー向けPCブランド「G-Tune」で知られるマウスコンピューターは,独自の調査結果として,さっそくベンチマークスコアを公開していたりする)。


“ベンチ登場キャラ”を変更可能

フルHD解像度もサポート


 速報時は簡単な紹介に留めたので,テストに先立って,まずはそのポイントを簡単にまとめておこう。

 まず,最も気になる動作環境からだが,PC版の対応OSはWindows XP・Vista・7。必須となるDirectX APIはバージョン9.0cだ。筆者が試した限り,32bit版Windows XP Professional+SP3,32bit版Windows Vista Professional+SP2,32/64bit版Windows 7 Ultimateがインストールされたマシン上で,ベンチマークソフトの動作を確認できた。

 実行方法は簡単で,上に示したリンク先から容量約172MBのzipファイル「FFXIVBenchmark.zip」をダウンロードして解凍したら,あとは「FFXIVBenchmark.exe」を実行し,画面の指示に従うだけ。テストは「Low」と「High」の2種類が用意されているが,両者の主な違いは解像度で,Lowだと1280×720ドット(720p),Highだと「フルHD」とも呼ばれる1920×1080ドット(1080p)となる。いずれもウインドウモードのみで,フルスクリーン動作はサポートされていない。

インテルから入手したものだとCPUのバッジが,NVIDIA Japanから入手したものだと「The Way It's Meant To Be Played」のバッジがそれぞれ表示される

FFXIVベンチのメインメニュー
 さて,このベンチマークソフトで非常にユニークなのが,ベンチマークシークエンスに登場するキャラクターを選択できる点が挙げられる。
 FFXIVでは,ユーザーキャラクターに選択できる種族として「ヒューラン」「エレゼン」「ララフェル」「ルガディン」「ミコッテ」がの5種が発表されているが,FFXIVベンチでは,これらから好きな種族を選ぶことで,シークエンスに登場する種族が変化するのだ。
 キャラクターの選択は,ベンチマークソフトを立ち上げた最初の設定画面で行うが,キャラクターをその都度変更させる「ランダム」という設定も用意されている。

 気になるのは「キャラクターの違いがベンチマークスコアを左右するか」だが,同一環境で試してみると,ミコッテを選択した際のスコアが5744であるのに対して,それをララフェル(女)に変更したときのそれは5704。どれくらい数字がブレるかは,もう少し追検証が必要だが,少なくとも,大きな違いは見られないと言ってよさそうだ。

ほぼ同じシーンで,左はキャラクターにララフェル(女),右はミコッテを選択したもの

 このほかメニューからは,日本語,英語,ドイツ語,フランス語の選択も行えるが,これはメニューの表示言語であり,シークエンス内の音声が変わるわけではないから,日本語のまま変更する必要はないだろう。
 ちなみにゲーム内のサウンドはすべて5.1chサラウンド出力に対応している。


ベンチ中はフレームレート推移を確認可能

スコアの持つ意味とは?


 さて,肝心のベンチマークの内容は,FFXIVのプロローグにあたる,船上のイベントシーンが流れるというもの。このイベントシーンは,ユーザーの分身ともいえる冒険者が船内でくつろいでいるところから始まり,船が大嵐に巻き込まれるとともに敵が襲来。最終的には,海の都「リムサ・ロミンサ」へ,無事に船が辿り着くという流れになる。
 シークエンス中は,雨や海水の飛沫,迫り来る多数のモンスターや船員,乗客が描画され,それらが主な負荷になっている印象だ。


シークエンス実行中のフレームレート推移グラフ
最終画面に表示されるスペックとスコア
 ベンチマークテストの実行中は,画面左下にスコアが表示され,シーンが進むにつれてスコアが増えていく。このあたりはFFXIの公式ベンチマークソフト「FINAL FANTASY XI for Windows オフィシャルベンチマークソフト」と同じなのだが,大きく変わったのは,同時にフレームレート推移がグラフ化される点である。
 グラフに目盛りが用意されていないため,具体的な数値こそ分からないものの,特定の場面で下がったり,あるいは裏で別の作業をさせると下がったりするので,どういう局面でフレームレートが落ち込むかはチェックできる。

 そして,ベンチマークの最終画面では,PCのスペックとともに,スコアが表示される。以下は公式サイトに示された指標の引用だが,最低2500あればなんとかなり,4500以上あれば安心といったところだろうか。

  • 8000以上:非常に快適
    非常に快適に動作すると思われます。お好みの設定でお楽しみください。
  • 5500〜7999:とても快適
    とても快適な動作が見込めます。描画クオリティを高めに設定しても、とても快適に動作すると思われます。
  • 4500〜5499:快適
    快適な動作が見込めます。描画クオリティを高めにしても快適に動作すると思われます。
  • 3000〜4499:やや快適
    標準的な動作が見込めます。余裕が有れば描画クオリティの調整をお勧めいたします。
  • 2500〜2999:普通
    標準的な動作が見込めます。
  • 2000〜2499:やや重い
    ゲームプレイは可能ですが、処理負荷によっては動作が重くなりますので、その場合はコンフィグにて調整する事をお勧めいたします。
  • 1500〜1999:重い
    ゲームプレイは可能ですが、全体的に動作が重く感じられます。コンフィグで調整をした場合でも、あまり改善は見込めません。
  • 1500未満:動作困難
    動作に必要な性能を満たしていません。

 せっかく指針が示されているので,試してみよう。
 今回は表1に示したテスト環境で,手元にあるだけのグラフィックスカードを使って,とりあえずのスコアを取得してみることにした。選択したキャラクターはミコッテ。また,数世代前のPCとして,筆者私物の2台,「Core 2 Duo E6600/2.40GHz」&「GeForce 8800 GTX」搭載デスクトップPCと,「Core 2 Duo P8400/2.26GHz」&「ATI Mobility Radeon HD 3430」搭載ノートPCでも,参考としてスコアを取得する。この二つはあくまで参考ということでご理解を。

※CPUの「Intel Turbo Boost Technology」および「Intel Hyper-Threading Technology」はいずれも有効。また,「ENGTX285 TOP/HTDP/1GD3」はメーカーレベルのクロックアップ設定がなされているため,テストに当たっては動作クロックをリファレンス相当に引き下げている

 というわけでグラフ1は,Lowモードのテスト結果をまとめたものだ。「とても快適」のラインをクリアしたのは「GeForce GTX 480」以上。「快適」ラインも「GeForce GTX 285」以上と,なかなか要求レベルが高い。一方,「普通」レベルがターゲットなら,参考として用意した筆者の私物デスクトップ機でもクリアしており,ひとまずプレイできるレベルを確保するだけなら,そう無茶なハードルではないようにも思う。
 なお,デュアルGPUソリューションである「ATI Radeon HD 5970」のスコアが芳しくないのは,ウインドウモードで動作するFFXIVがATI CrossFireXに対応していないか,ATI Catalyst側のプロファイル不備か,あるいはその両方が原因だろう。


 ちなみに,ベンチマーク中のCPU使用率をパフォーマンスモニタで確認すると,「Intel Hyper-Threading Technology」の有効/無効にかかわらず,論理4コアまでしか利用されていなかった。実際のゲームタイトルがどうなるかはさておき,少なくともFFXIVベンチにおいて,論理4コアを超えるCPUコア数の恩恵はあまり大きくなさそうだ。

テスト中に利用されるコアの数をタスクマネージャーからチェックしたところ

 続いてグラフ2はHighモードでのスコアだが,全体的な傾向はLowと同じ。「GeForce GTX 465」と「GeForce GTX 285」の力関係に逆転が生じて,メモリ周りの制約がスコアに与える影響を示唆しているものの,概ね違和感のないスコアに落ち着いた。Lowモードで263しかスコアを取れなかったノートPCだとテストを実行できなかったのは,まあ,予想の範疇である。


 なお,ベンチマークテスト中の平均フレームレートを計測してみると,「ATI Radeon HD 5850」搭載時にLowモードで平均109.2fps,Highモードでは77.0fpsだった。おおざっぱな計算になるが,「スコア4500以上」というのは,FFXIVベンチ中の平均フレームレート80fps以上といったところだろうか。「平均30fpsあれば十分」と言われることの多いMMORPGからにあって,このフレームレート設定は異様に高く,それだけFFXIVは負荷が大きいということになりそうだ。

 最後に,ベンチマークスコア表示画面には,「Load Time」という値も示されているが,これはHDDやSSDといったストレージデバイスへのアクセス性能の指針だ。そのため,SSDを使ったり,RAID 0構成をしたりすると,当然のことながらスコアは良好になる。


ゲーマーの期待が大きいFFXIV

プレイする予定の人はぜひベンチを実行すべし


 FFXIVに期待を寄せているユーザーは多い。それは,4Gamerのαテストレポートに集まっている注目からも明らかだが,そのなかで,ベンチマークという一つの指標が出たことで,FFXIVのβリリース,正式リリースに向けて,PCのアップグレードや買い換えのプランを具体的に考えられるようになった意義は,決して小さくない。

 今後の具体的なスケジュールは依然として未定のままだが,FFXIVベンチを駆使して,来るべきXデイに向けた備えを万全にしておくのもアリだろう。

FFXIV公式サイトの告知&説明ページ

NVIDIA JapanのFFXIVベンチ配布ページ

インテルのFFXIV特設サイト 7×14

  • 関連タイトル:

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    ベンチマーク

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