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[19261] とあるガンマンと猫
Name: 龍桜姫◆be530ebb ID:f768dbfd
Date: 2010/06/04 14:40
 
 この作品は、作者の妄想の産物であるので見たくない人はまわれ右してください。少しでも興味のある方は、本編のほうをどうぞ。

コンセプトは、猫とガンマンといった感じになっています。戦闘描写やメルヘンチックな描写などいろいろ出てくるのですがきにせずにどうぞ。

なお、本作品はオムニバス形式でありますので1話完結型を目指しておりますが、前後篇などつながることもあります。



[19261] とあるガンマンと猫
Name: 龍桜姫◆be530ebb ID:f768dbfd
Date: 2010/06/02 17:15
 目が覚めたら異世界だったなんてことはなく、ただいつもの天井が目の前に広がっているだけ。

部屋には、服や下着が散乱していて散らかっている。もちろん、片付けをしようと思ったことは幾度もあったがそんな時に限って、携帯がけたたましく仕事の到来を告げ、邪魔をしてくれる。

よって片付かない。友人にも、いいかげん片付けろと何度も言われそのたびに片付けようと思うのだが、携帯がなる→仕事→片付かない。このループが続いている。
 
とりあえず部屋の空気を入れ替えるために部屋の窓を開け、部屋の奥にある冷蔵庫からミルクをとり出す。

いいかげん、二十歳すぎたのにミルクかよとよく友人に言われる。まったく自分は、これが好きなんだほっといてくれ。

とりあえず、部屋にあるテーブルの上にミルクの瓶をおいて顔を洗い、ネトッとした感じ(実際にはネトッとしているわけではなく気持ちの問題)いつもの状態に戻る。そして、ミルクを一気飲み。

「ぷっはーーー。」

これを友人の前でやると親父かとツッコまれるが、出るんだから仕方がない。そして、テーブルに放り出した煙草<ラッキーストライク>とジッポライターを取って、煙草に火をつける。

窓の淵に手を付きながら外を見る。空は、快晴、時折鳥たちが楽しそうに空を舞い、風が心地よい。ついでに、近くの塀があるのだがそこに近所の猫がこっちのミルクの瓶をみてものほしそうに

「にゃー。」

と一鳴き。そして、こちらに寄ってくる。とりあえず、どうするかと思案していると猫は、窓の淵に器用に座ってここが自分の定位置だ、早くミルクをよこせと言わんばかりにこっちを見た。

しょうがないのでミルクをもう一本冷蔵庫から出して小皿に移し猫の元へ置くと、すぐにミルクを飲み始めた。

ここで煙草をもう一本。

「お前は、気楽でいいよな。」

そう言って猫に微笑みかけると猫は、こっちをみて

「そうでもねえですよ姐さん。こっちにだってネコの社会ってのがあるんですぜ。」

そう言ってすぐにミルクをまた飲み始める煙草を思わず窓の外に落としてしまう。下に人がいようがどうだっていい。疲れてるんだもう一眠りしよう。(もう昼であったが)すぐにベットにもぐりこんで、目を閉じるとすぐに深い闇に意識が沈んでゆく。



 再び覚醒するとすでに夕方。猫もいなくなっており、黄昏の夕日が目にしみる。冷蔵庫から三度ミルクを取り出して、戻ってくるとテーブルの上に一枚の紙が置いてあることに気づく。

その紙に書いてあったものみて愕然とする。紙には丁寧にお礼が書いてあった。しかも、筆で。そして、文末に見事な猫の手マークが押してありby“にゃん太”と名前まで書いてあった。

ここで本日三本目の煙草を取り出しジッポライターで火をつける。窓から夕日を眺めながら、溜息をひとつ。

「なんなんだ。」

と肩を落としひとりごちる。すると、携帯の着信ゴッドファーザー愛のテーマがなる。電話を取ると相手は、いつもの上司で仕事が入ったからすぐに処理してくれとの連絡。

すぐに散乱した私服の中からいつものやつをとって身にまとい、相棒のベレッタPx4二丁弾倉を確認して、腰のホルスターにしまう。今日も部屋の片づけができなかったなと思いつつ仕事に向う。



[19261] とあるガンマンと猫Ⅱ
Name: 龍桜姫◆be530ebb ID:f768dbfd
Date: 2010/06/04 14:30
 
 ゆであがりそうな夏の日、冷蔵庫の中は空。しかたがないので、薄いジャケットを羽織り相棒のベレッタPx4を2丁腰から下げたホルスターに入れ部屋をでる。近所のスーパーまで徒歩10分、バイクも自転車ないので当然徒歩。

途中、暴漢や刺客に会うこともなく、難なく大型スーパー(ダ〇エーみたいな)につく。ぶらぶらと店内をうろつき安売りの服や靴なんかを見た後、食料品コーナーでミルクと食料を購入して家路につく。

昼に起床して出かけたのが3時前、買い物を終えるともう夕方。なんとも1日を無駄に過ごしているが誰かに叱られるわけでもないし、急ぎの仕事があるわけでもないので問題なし。

突然、何かの気配を感じたので荷物を地面に落して、2丁のベレッタを取り出し構えると同時に目の前が真っ暗になる。

しまった。

内心舌打ちし、抵抗せずベレッタPx4を下ろす。そのまま動かずにいるともそもそと顔あたりで何かが動き、少々くすぐったくなってしまう。

マズイと思ったが周囲から何も反応がない。明らかにおかしい。そーっとベレッタPx4を腰のホルスターに持っていく。

そして難なく収めることができる。

手を顔に持っていくと・・・・・もふもふ。

?どうやら、柔らかいぬいぐるみのような物体が張り付いているようだ。周囲を再確認。殺気などの危ない気配は感じられないので顔に張り付いている物体ををつかむ。

「にゃ~」

と一鳴き。内心ため息ついた、また猫かと。そして、とりあえずひきはがすと黒猫だった。

「今度はしゃべらないよな」

ついつい、独り言を吐く。すると猫は、ジタバタし始め自分の手から脱出したあとその辺にある壁などをつかい、俊敏な動きでジャンプ。私の頭に着地してたれパンダ(古いか)ならぬたれ猫になる。

そして、

「にゃー」

と再度一鳴き。どうやら、自分の頭が気に入ったようだ。満足そうにたれている。とりあえず、害はないので放置することにする。

そして、食料の入った買い物袋を拾い家路につこうとすると複数の殺気感じ、買い物袋を抱え路地に飛び込む。

刹那、銃撃。さっき立っていたとこにハチの巣になる。もしかして、頭上の猫が協力者で引き寄せたのか?と思ったが、猫は、気持ち良さそうにたれているしかもかなりリラックスしているようなので、どうやら違うようだ。

どうやって切り抜けようか。銃声が複数あったが、マシンガンのような連続的なものではなかったのでピストルタイプの銃を持っているようだ。よって複数の殺気を感じたことから敵は複数と判断。

路地から盗み見ると予想道理5人。

血が騒ぐ。

逆境は、最高の媚薬。

私をハイにする。

もっと私を追い込め。

頭に猫をのせながら銃をかまえ、怪しい独り言を言っている図は、はたから見ればシュールであるが、そんなことはしらねえ。

刺客が近くに来るのを感じさらに気持ちが高ぶる。

そして、あと少しの所で私は飛び出す。そして、ベレッタPx4のトリガーを弾き続ける。敵も銃弾をばらまき弾幕を張る。

自分に直撃コースの弾丸だけ撃ち落とす。頭上の猫は、このいかれたロックにのって銃弾をツイスト、ゴーゴー、などダンスを踊りながら自分に来る弾丸を回避。今回の猫もただものではないらしい。

大したものだ。ついつい笑みがこぼれる。そして、敵を全員倒した時には、私も猫も決めポーズなどをキメていた。

周りの視線などその時は気にならない。(周りにはだれもいなかったが)

そして、相棒たちをホルスターに収めると、一気にクールダウン。いつもの状態に戻る。猫も、再度頭上でたれる。

「さて、帰るか」

と猫に向かって言うと

「にゃ~ん」

と猫も一鳴き。ラッキーストライクを一本取り出して火をつける。煙は茜色の空に霧散して、黄昏時の夕日が目にしみたが心地よかった。




<あとがきなような毎度のコーナー>

 どうもまったりしすぎて忘れていた龍桜姫です。

今回は、だいぶ昔に書いたものアップしてみたわけですが、まあいつものごとく人気は少数。

やっぱり世間は少女がいいのか!姐御的な“女性”はアウトなのか!といつも嘆いている今日この頃。

余談ですがこのキャラも友人をトレースしたものとなっております。

実際、こんな感じに渋い感じがするので個人的には大好きです!<オイ

第三段アップ希望者は、感想掲示板にて“猫ー!”と入力していただければ第三段がアップされるかもしれません。

ご意見ご感想また評価、誤字脱字その他もろもろは感想掲示板まで、でわでわ。



[19261] とあるガンマンと猫Ⅲ
Name: 龍桜姫◆be530ebb ID:f768dbfd
Date: 2010/06/16 17:23
 仕事帰り現時刻は、午前1時を回ったあたり。簡単な依頼をこなすのに今日組んだパートナーが大いに足を引っ張ってくれたせいで大幅に時間がかかってしまった。

さらに依頼人も気に食わない。あのクソババア今度会ったらぶっ殺してやる。まったく最悪だ。ふらふらと街を歩き屋台が何軒か並んでいる通りにくる。

暖簾にはそれぞれ、おでん、ラーメン、そば、串カツ、そして猫専用。もう驚かない。最近この手のネタが多いので耐性ができた。

しゃべる猫にゃん太、踊るたれ猫(あのあと家に住み着いた。名前はまだ決まってない)。

最近、猫も多種多様になっているんだと納得しておくことにしたからだ、とりあえず猫専用の屋台の隣のラーメンの屋台に入る。

店主が猫では、なかったので安堵する。

「おう、姐さんなんにする?」

「チャーシューメンねぎ大盛りで、あとミルクはあるか?」

まあミルクは、ないだろうけど一応注文する。まあ、猫専用屋台があるんだ可能性はゼロじゃない。

「ミルクですかい、そっちはすぐですがチャーシューのほうはちと時間くだせえ」

といってマグカップにミルクを入れててカウンターの上に置く。しかも、ホットミルク。やっぱりあるのか。さっきのイラついた気持ちが少し和らぐ。そして、さっきから隣の猫専用の屋台が気になるので隣をみる。

つくりは普通の屋台とあまり変わらないのだがラーメンをゆでる鍋などは一切なく小さなテーブルがあるだけ。

そして、日本料理屋の料理人のような服と鉢巻をしめた白い猫がキセルをふかし、小さなテーブルにはトラ縞の猫と三毛猫が座ってミルクを飲んでいた。

「にゃー、にゃ」

「ニャーニャー」

といった感じでネコ語らしきもので会話をしている。さらに酒のつまみのように煮干しをかじっている。もう何でもありだな。

「へいチャーシューメンお待ち」

「あれは、いつも隣にいるのか?」

「ええみんなは、あの白い猫のこと大将って呼んでますぜ。どこからともなくみんなが屋台を出してる頃に一匹で屋台とともにやってくるんですぜ。誰も屋台を引いてないのにころころと屋台がひとりでにうごいてくるんです」

店主は不思議そうに語る。やっぱりもう何でもありだ。チャーシューメンをすすっていると、隣の隣ぐらいの屋台が騒がしくなり客の2人が喧嘩を始める。

うるさい。

せっかく食事で落ち着き始めたのにイライラし始める。もっと静かにラーメンを食わせてくれ。

「店主、ちょっとクソッタレどもをぶっ殺してくる」

ベレッタをぬいて立ち上がると

「まあそう怖い顔をしなさんな。大将が何とかしてくれる」

店主がなだめてくる。また猫か、まあ大将のお手並み拝見といこうか。席に座りなおし、ラッキーストライクに火をつけて観戦としゃれこむ。

大将がゆっくり席を立つと姿が見えなくなる。そして、すぐに喧嘩をしている二人の間に立ち看板を出す。

「喧嘩はここじゃあご法度ですぜ。あっしに免じてここはお二方お引きになってくだせえ」

と書いてある。だが

「はっ!この猫なんだ生意気な!」

「ひっこんでろ」

そういって、喧嘩のエネルギーを今度は大将に向ける。けりを同時に入れるが当然大将は回避。

そして、

「仕方ありやせん。ちょいと灸をすえてやりますか」

と書いた看板をだす。そして今度は、キセルをもち空中に飛び上がり相手の額に向けて一振り。さらにうろから来た相手の拳をキセルで受け弾き飛ばす。そして、同じく額にキセルを一振り。

そして、

「喧嘩両成敗」

と達筆な字で書いた看板を取り出し一服。

「まさしく漢でしょう姐さん」

店主はうれしそうに私に言う。やるなあの白猫。今度やりあってみたいな。そんなことを思っていると店主が私に話しかけてくる。

「ところで、姐さんは“向こう側”の人ですかい?」

「いいや、“向こう側”で仕事をしてきただけで“こっち側”の人間さ」

店主の言う“向こう側”とは私が住んでいる“こちら側”――――天国の外側(アウターヘブン)と呼ばれる街の向かい側にある都市――――天国(ヘブン)のことである。

天国の外側は一言で表すと、“クズ”。社会から捨てられ、人から捨てられ、いろいろなものから捨てられたクズ達が集まった街。

最初は、名前がない街だったが住人が天国を外から羨むように眺めるようことから、いつしか天国の外側と呼ばれれうようになった。

一方天国は、名前の通り人々は裕福であり治安も良く平和に暮らしている。まさに天国のように。

しかし、私は知っている。私のようなものが“天国”の裏側で働いていることを。

「やっぱり“向こう側”は、いいんでしょうね。こんな廃れたとこみたいに苦労なんかなく過ごせるんでしょうな」

「そうでもないさ。“向こう側”は結構汚い。私は”こっち側”の方がいいよ。なんたって、馬鹿なことやってる連中も多いがこっちは気楽さ」

店主と世間話をしながら夜は更けていった。






<いつものこーなー>

 どうも龍桜姫でございます。

いい加減もうひとつの紅散華を更新しなくてはと思っているけれどこっちの更新を優先しているのはどうだろうと最近感じております。

さて今回は、世界観っぽいものを少し突っ込んでみました。

それと、姐御好きな人がいてくれて見ようにテンションが上がってきている今日この頃であります。

ご意見、ご感想、その他もろもろは感想掲示板まで。


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