【ロンドン共同】欧州系格付け会社フィッチ・レーティングスは１５日、メキシコ湾で続く原油流出事故の被害補償を求められている英石油大手ＢＰの格付けを「ダブルＡ」から「トリプルＢ」に６段階引き下げたと発表した。トリプルＢは投機的水準より２段階上の格付け。

　オバマ米大統領は１５日、プライムタイムと呼ばれるテレビの高視聴率時間帯である午後８時（日本時間１６日午前９時）から同事故に関する国民向け演説を行い、ＢＰの責任を追及する見通し。フィッチはこれを前にＢＰの大幅格下げに踏み切った。

　フィッチはＢＰに対する米政府の強硬姿勢を背景に、賠償金の支払いなどＢＰの中期的負担が著しく増加すると判断した。他の大手格付け会社がフィッチに追随することも予想され、ＢＰの財務体質への懸念が一気に高まりそうだ。

　ＢＰの株価は４月２０日の事故発生直前と比べほぼ半値まで値下がりした。ＢＰが負担した原油回収費用や賠償金などは今月１４日時点で１６億ドル（約１５００億円）に上っているが、キャメロン英首相は米側の反発を考慮してか、具体的な支援策に言及していない。