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口蹄疫、加熱・焼却処分も検討 土地不足で農水省

2010年6月16日15時0分

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 宮崎県での家畜伝染病、口蹄疫(こうていえき)の問題で、農林水産省は、殺処分した家畜を埋めるこれまでの方法に加え、同県内の処理場で加熱、加圧し、最終的には焼却する方法を取り入れる検討を始めた。埋める土地の選定が進まずに処分が滞っているためだが、家畜が運び込まれる処理場周辺の農家が感染拡大を恐れて反対することも予想される。

 一連の流行で宮崎県内では15日現在、殺処分の対象となった牛や豚計約2万9千頭が未処理のままだ。それが終わっても、ワクチンを接種した計約6万6千頭の処理も残っている。

 殺処分対象のうち、約1万3千頭についてはいまだに埋める土地すら決まっていない。ワクチン接種分については、複数の農場の家畜を1カ所に移動させて同時に処分し、埋める方法が検討されているが、土地は選定中だ。また梅雨に入ったため、土地が確保できていても雨天で作業に入れないケースも多い。

 農水省はこのため、ワクチン接種後の家畜の一部について、農場で殺処分した後に処理場まで運んで、高温、高圧下で処理することを検討。油分と水分などを分離した後に出る肉骨粉などは焼却する。この過程でウイルスは死滅する。

 想定している処理場は「化製場」と呼ばれ、同県内では都城市にある1カ所だけ。食肉にするための加工場とは違い、食肉加工の際に出る骨や皮などを処理して飼料などに活用するための施設だ。

 同市内では9日、1農場で感染の疑いが出たが、翌10日中に埋める処理が終わり、ほかに感染は15日現在、出ていない。そのため同市の農家は、感染が拡大した県東部からの家畜の搬入に難色を示すとみられる。

 農水省は輸送前後に車両を徹底的に消毒したり、家畜は厳重にカバーで覆ったりして感染拡大防止を図るとしているが、実現に向けて地元との協議は難航しそうだ。(大谷聡)

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