日本の小惑星探査機「はやぶさ」が、13日夜、7年ぶりに地球に帰還しました。「はやぶさ」から分離された、小惑星の石が入っている可能性のあるカプセルは、オーストラリアの砂漠のほぼ予定どおりの場所に落下したことが確認され、早ければ14日午後にも回収される見込みです。
「はやぶさ」は地球から3億キロ離れた小惑星「イトカワ」に着陸し、度重なるトラブルに見舞われながら7年ぶりの帰還を目指し、日本時間の13日午後11時前、大気圏に突入しました。「はやぶさ」の本体は大気圏で燃え尽きましたが、小惑星の石が入っている可能性のあるカプセルは分離され、宇宙航空研究開発機構によりますと、カプセルはオーストラリア南部の砂漠のほぼ予定どおりの場所に落下したことが確認されました。現地では、「はやぶさ」の本体が大気圏で花火のように輝きながら燃え尽きていく様子や、そこからカプセルが赤い球となって現れ、地表に落下していく様子が、10秒以上にわたって観測されました。「はやぶさ」を見守ってきた神奈川県相模原市にある管制室では、13日午後10時半ごろ、「はやぶさ」との最後の通信を終えると、関係者が拍手をしたり握手をしたりして、7年間に及んだ運用の終了を互いにねぎらっていました。記者会見した「はやぶさ」プロジェクトのリーダーの川口淳一郎さんは「まずは、携わった人すべてにお礼を言いたい。はやぶさが一時、行方不明になった以降は、神頼みもした。今は夢のような気持ちだ」と述べました。カプセルが落下したオーストラリアでは、回収隊を現場に向かわせ、早ければ14日午後にもカプセルを回収する予定で、運搬用のコンテナに入れて日本に運ぶことにしています。太陽系の誕生当時の姿をとどめるとされる小惑星の石を持ち帰ることができれば世界初の快挙で、地球誕生の謎の解明につながる手がかりが得られると期待されており、カプセルの分析結果に注目が集まっています。