自民が内閣不信任案提出

　自民党は１６日、菅政権と民主党の国会運営を不満として内閣不信任決議案を衆院に提出した。内閣発足後、わずか９日目での不信任案提出は異例だ。与党は午後の本会議で否決し、同日中に第１７４通常国会を閉会させる方針。与野党は６月２４日公示、７月１１日投開票の参院選に向け、事実上の選挙戦に突入する。

　不信任案は政府、与党の対応を「論戦から逃げて説明責任を果たしていない。期待感だけで選挙戦に臨もうとする卑劣な姿勢は国民を愚弄しており、その存在は最大不幸社会を招く」と批判、対決姿勢を強調した。公明、みんなの党、たちあがれ日本は賛成する見通し。

　提出に先立ち１６日午前、野党各党は横路孝弘、江田五月衆参両院議長に、菅直人首相出席での予算委員会を開催するために国会会期延長を申し入れた。自民党は事務所費問題を抱える荒井聡国家戦略担当相に対する問責決議案の参院への提出も検討している。

　与党は不信任案否決後、継続審議とする法案に関する閉会中審査手続きなどを行う予定だ。

　今国会は１月１８日に開会。鳩山政権初の予算編成となる２０１０年度予算は戦後５番目の早さとなる３月２４日に成立した。しかし鳩山由紀夫前首相や小沢一郎前民主党幹事長の政治資金問題、米軍普天間飛行場移設問題の迷走で内閣支持率が低下。前首相は退陣し、今月４日の衆参両院本会議で菅氏が首相に選出された。

　前首相退陣による国会空転や会期延長見送りなどが影響し、今国会の政府提出法案の成立率は現行憲法下で最低となる見通しだ。

（2010年6月16日11時56分  スポーツ報知）

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