もちろん、実際の体験に基づいたエピソードです。そして翌日の紙面に、言ったとおりの意図とニュアンスでコメントが掲載されました。ところが、何が気に入らなかったのか、一部の方がネットでこの発言を取り上げて大はしゃぎ。
「2ちゃんねる」に、
「『アベする』なんて言葉はどこにも流行してない!」
「流行していない言葉を『流行語』と言うのはケシカラン!」
「安倍首相を侮辱するために、石原と朝日新聞が結託して捏造行為を行なった!」
という非難が巻き起こったのです。スレッドっていうんでしたっけ、あれが数日で20ぐらいまで伸びたのを覚えています。そして、その大波が私のブログにも押し寄せてきました。
当時、ブログはほぼ放置状態だったのですが、ぜんぜん関係のないエントリーのコメント欄に批難の書き込みが殺到。いや、批難なんて上等なものではなく、大半は罵詈雑言でした。今だったら逮捕者が出てもおかしくない、立派な脅迫に当たる言葉も山ほどありました。
やがて、コメントを掲載した朝日新聞に対する非難も巻き起こります。誰が言い出したのか、捏造するという意味で「アサヒる」という言葉が誕生。それは、その年のネット流行語大賞みたいなのを受賞しました。
どこがやっているどういう賞なのかよく知りませんけど、きっかけとなる発言をしたものとしては、大変光栄です。
タレントが使う言葉ばかりじゃない
それを「流行語」と言って何が悪い!
私は当時も今も、自分の周囲でお互いに知らない同士の何人もが使っていた「アベする」という言葉に対して、「流行語」という表現を使ったことが間違っていたとは思っていません。