中国・広東省の原子力発電所で、先月、微量の放射性物質が冷却水に漏れ出すトラブルがあったことが、香港のメディアの報道でわかりました。外部へ影響はなかったということですが、このトラブルについて当初当局からの発表はなく、中国の原発の情報の透明性をめぐる問題も指摘されています。
トラブルがあったのは、中国南部、広東省深*センにある大亜湾原子力発電所の原子炉で、先月23日、核燃料が入った燃料棒から微量の放射性物質が冷却水に漏れ出したということです。放射性物質が混じった冷却水が外部に漏れ出すことはなく、原子炉はそのまま運転を続けたということです。このトラブルをめぐっては、中国政府や地元の広東省政府からの発表はなく、発生から20日余りたった14日、深*センの隣にある香港の一部のメディアがトラブルについて報じました。これを受けて、15日、香港の政府が電力会社からの情報を基にようやく発表を行いました。中国は、急速な経済発展に伴う電力不足を解消するため、各地で原子力発電所の建設を急ピッチに進めており、香港のメディアなどからは、中国の原発に関する情報の透明性をめぐる問題を指摘する声も出ています。(*セン=「土」へんに「川」)