琴光喜が名古屋場所辞退　野球賭博「脅され関与言えず」

　日本相撲協会は１５日、東京・両国国技館で緊急理事会を開き、野球賭博への関与を認めた大関琴光喜（３４）＝本名田宮啓司、愛知県岡崎市出身、佐渡ケ嶽部屋＝について、師匠の佐渡ケ嶽親方（元関脇琴ノ若）から申し出のあった名古屋場所（７月１１日初日、愛知県体育館）の出場辞退を受理した。同親方は当面、琴光喜を謹慎させるという。

　また、相撲協会の実態調査で賭博への関与を認めた６５人を、琴光喜を含めて厳重注意処分とした。

　週刊誌で野球賭博疑惑と暴力団関係者とのトラブルが報じられた琴光喜は、協会の事情聴取や理事会で報道を否定してきた。しかし、１３日夜に武蔵川理事長（元横綱三重ノ海）を訪ねて賭博への関与を認め「脅されていて、家族も含めて危険ではないかということで、なかなか認められなかった」と話した。脅している相手が暴力団関係者かは判明していないという。

　琴光喜の処分は警察の捜査結果が出てから再検討されるが関与を否定してきたことなどから厳重な処分が下される可能性が高い。琴光喜以外の６４人も捜査により処分が上乗せされることがある。武蔵川理事長は理事会後の会見で「ファンの皆さまに多大なるご迷惑とご心配をお掛けし、心よりおわび申し上げます」と謝罪した。

　実態調査では野球賭博に２９人、花札やマージャンなどの賭け事に３６人が関与していたことが判明。相撲協会は当初、賭博行為を認めた者は厳重注意処分だけにとどめる意向だったが、方針転換した。