ここから本文エリア 現在位置:asahi.com> マイタウン> 神奈川> 記事 「飲酒、ミス連鎖」 緑区・居酒屋事故2010年06月15日 「ミスが連鎖して暴走に発展したことについて、飲酒の影響が背景として存在したとみるのが相当」。横浜市緑区で1月、酒気帯び運転の車が居酒屋に突っ込み、客3人が死傷した事故。横浜地裁の吉田勝栄裁判官は14日、飲酒と事故の因果関係を認め、自動車運転過失致死傷と道交法違反(酒気帯び運転)の罪に問われた小坂泰男被告(44)=大和市=に懲役5年(求刑懲役6年)を言い渡した。 判決によると、小坂被告は1月29日夕、緑区鴨居で酒気帯びで車を運転。駐車の際に後輪が車止めを越え、脱出しようとして急発進。ブレーキと誤ってアクセルを踏んだことに気づかぬまま加速して居酒屋に突入し、客の野表茂男さん(当時55)を死亡させ、2人に重傷を負わせた。判決は「人身事故に直結するとはいえないミスを皮切りにミスを重ねた。酒気帯びの影響下での事故で悪質」と述べた。 この事故で、横浜地検は危険運転致死傷罪の適用を検討したが、小坂被告の事故直前の運転状況などから、「アルコールの影響で正常な運転が困難な状態」だったとは言えない、と判断していた。 一方、公判で弁護側は、交際相手の女性(40)の長男が発熱し、病院に連れて行くため被告が頼まれて運転したと主張。情状酌量を求めた。 判決は、被告がインターネットを通じ知り合って間もない女性宅で午前9時ごろから飲酒した上、女性にも酒を勧め、効用を偽って睡眠導入剤を飲ませたと指摘。「4歳の長男を養育している女性に対し非常識で無責任な行為だ。酒や睡眠導入剤を勧めなければ、子どもの受診が必要になっても女性が自ら運転できた」とし、経緯に酌量すべき点は無いと述べた。 判決を受け、重傷を負った菅井茂さん(57)の家族の代理人の湯山薫弁護士は、家族が「気持ちをわかってくれた判決だった。ただ(被告には)懲役5年を罪の軽さだと思ってほしくない」と話したことを明らかにした。 交際相手の女性は、酒気帯び状態であることを知りながら車を提供したとして道交法違反(車両提供)の罪で在宅起訴されており、28日に初公判がある。 (太田泉生)
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