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きょうのコラム「時鐘」 2010年6月16日
たかが1勝、などとはいうまい。悪口を言い続けた日本代表の指揮官に、手のひらを返したように拍手を送る気持ちも十分に分かる。サッカーW杯は不思議な大会である
1点先制で応援に力が入ったが、「またか」と悪い予感も頭をもたげた。4年前もそうだった。追いつかれて逆転負けという試合を何度も見せられたが、今度ばかりは嫌な予感が快く裏切られた。気をもんだ分だけ、うれしさも増した 大相撲を揺るがす賭博問題も、「またか」である。角界浄化の掛け声とは裏腹に、不祥事が転がり出る。サッカーの世界にも、八百長問題や人種偏見があるという。何事も光があれば影もある。が、影は限りなく小さくなってほしいと誰しも願う ボール一つあれば、サッカーは楽しめる。相撲も、まわし一つでいい。そんな理由で愛好者を広げてきた2つのスポーツが、明暗を描く。不祥事の追い打ちで、相撲人気はまた低迷するのだろうか 「またか」という悪い予感は、やがて消し飛ぶ。心配無用、と日本代表は元気づけてくれた。ただし、並外れた努力と辛抱する時間がいることも教わった。 |