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武田薬など3事業者 新施設建設へ

2010年6月11日

 大阪市は10日、武田薬品工業(本社・同市中央区)など3事業者が、市の「企業・大学等立地促進助成制度」を活用して、同市内に新たな施設を建設することが決まったと発表した。同社は、同市淀川区の大阪工場内に研究開発施設「第九技術棟」を新築する。来年11月の完成予定で、総事業費は約115億円。約1億5千万円の助成を受ける。

 同制度は、医療、情報通信、環境など同市が重点産業分野とする事業者が、市内に新しい事業所を開設する場合、建設費などの5%以内を助成する内容。2004年度の制度創設以来、今回を含めて19の事業者が助成制度を活用している。

 武田薬品工業のほかに新たな施設を建設するのは、携帯電話やIT機器用の超精密部品を製造するエストー(本社・同市生野区)と、森ノ宮医療学園(同市東成区)。

 エストーは、リチウムイオン電池用の部品を製造する工場を同市平野区に建設。総事業費は約8億円で、約3800万円の助成を受ける。森ノ宮医療学園は、同市住之江区で運営する森ノ宮医療大学の校舎を増設し、看護学科棟を新設する。総事業費は約9億円、助成額は約3300万円となる見込みだ。

 平松邦夫市長は10日の記者会見で、この制度で約4900人の新規雇用が生まれたことを紹介。「固定資産税も10年間で約150億円の増収が見込める」と述べ、企業誘致の成果を強調した。