[この記事は6月5日公開『【緊急アンケート】新政権はどうあるべきか』でご協力いただいたアンケートの結果をまとめたものです]
日経ビジネス 2010年6月14日号10ページより
菅直人首相に何を期待するか――。「日経ビジネスオンライン」の読者を対象に、緊急アンケートを実施した。その結果、経済政策では「財政再建」「成長戦略」といった課題への取り組みを求めていることが分かった。
まず、菅首相率いる政権に期待できるかどうか。「期待できる」「どちらかと言えば期待できる」を合わせると56.8%となり、過半数が肯定的に見ている。昨年9月の鳩山由紀夫政権誕生時に新政権への期待度を聞いた際は58.7%だった。自民党から政権を奪取した頃に近いレベルまで戻ったようだ。
次に、優先して取り組んでほしいと考えている政策を5つまで挙げてもらった。最も多かったのが「財政再建」。全回答者の約7割がこの選択肢を選んだ。国と地方を合わせた政府部門の借金がGDP(国内総生産)の2倍近くまで積み上がった日本の財政に、強い危機感を持っている人が多い。
直前まで財務相を務めていた菅首相は、財政再建には積極的だと見られている。自由回答からも「鳩山さんと比べると信念があると感じる。バラマキをやめて、財政再建と未来の日本の国造りをしていただきたい」(40代、男性、近畿地区在住)といった声が聞かれた。
「成長戦略」も半数近くの回答者が重視している。既に経済産業省が今後の産業政策の指針となる「産業構造ビジョン2010」をまとめた。これをベースに政府は「新成長戦略」を打ち出す予定だ。