菅首相の経済政策に強い影響を与えている小野善康氏のインタビューが、産経に出ている。
--自民党政権時代の公共事業などの財政出動は効果が薄かった
「何の価値も生まない公共事業をするならば、それは労働者に対する失業手当と同じ。新しい価値を生み出す分野にお金を投入し、人を生かさなければ意味がない」
--新しい価値生む分野とは?
「これまであまり育っていなかった分野では、例えば環境や観光インフラ、医療、健康などが考えられる。食料品のような必需品を支給したり、子ども手当のようにお金を配ったりすると、それまでの出費を代替してしまい、新たな雇用や需要は生まれない」
これは首相の所信表明演説とよく似ている。劇作家のレトリックに頼った鳩山前首相に比べると、経済学者が官邸スタッフに入ったことは一歩前進だし、公共投資を「景気対策」ではなく長期的な生産性を高める投資とする点も、昔のケインジアンとは違う。インフレ目標について「日銀がどうやってインフレ期待を起こすのか示さないで目標だけ出すのはナンセンス」と否定するのも妥当な意見だろう。
しかし小野氏の政策提言は、彼の複雑なマクロ動学理論とは関係なく、彼の労働についての独特の考え方から導かれる。それは「完全雇用のときは新古典派のいうように供給の効率を上げればいいが、不完全雇用のときは失業者は社会的な無駄だから政府が公共事業で雇用すべきだ」というものだ。これは古典的ケインジアンに近いが、失業は「無駄」なのだろうか。
小野氏の想定している完全雇用(自然失業率)は3%前後らしい。今の日本の完全失業率は5%前後だが、彼の推奨するように(自然失業率との差)2%分の労働者を政府が雇用したら、何が起こるだろうか。これは120万人を雇用する巨大な公共事業で、それに使われる予算は1兆円を超えるだろう。そのコストは人件費だけではなく、資本設備や原材料費も含む。
この場合に経済学で正しいコスト計算は、同じ1兆円を何に使うと効率が最大になるかという機会費用である。池尾和人氏も指摘するように、失業の機会費用がゼロであれば小野氏の議論は成立する。どんな公共事業でもゼロより高い価値を生み出すので、プロジェクトの選択は大した問題ではない。
しかし公共事業のコスト(失業の機会費用)がそのプロジェクトの価値を上回る場合には、1兆円のコストをかけて1000億円の価値しかないダムや地方空港を建設することがある。この場合、その損失9000億円は失業者を雇用する便益よりはるかに大きいので、不要な地方空港を建設するより失業者を放置したほうが社会的厚生は大きい。いいかえれば、失業を減らすことができても「やってはいけない公共事業」があるのだ。
したがって小野理論の正否は、つまるところ公共事業の費用便益分析に帰着する。つねに便益が費用を上回る「よい公共事業」を政府が選択できるなら、失業しているよりましだが、今の日本のボロボロの財政状況は、そういう選択能力が政府にないことを示しているのではないか。「環境や観光インフラ、医療、健康」に税金をつぎこむターゲティング政策で、政府がつねに民間より賢明だという証拠はあるのだろうか。
これはソフトバンクの「光ファイバー公社」と本質的に同じ問題である。公共事業の前提は政府が絶対に間違えないということだ。世の中に絶対はないが、政府が公権力を公使する場合には絶対が求められる。市場は間違えた経済主体を淘汰するメカニズムを内蔵しているが、官僚は間違えないことを前提にして事業を起案するので、間違えた場合にも引っ込みがつかない。これが公共事業が間違える最大の原因である。
ハイエクものべたように、市場経済の最大のメリットは「パレート効率性」を実現することではなく、不完全な知識でもなんとか動き、間違えたら訂正する自由度が高いことにある。小野氏の「よい公共事業」論もソフトバンクのNTT国営化も、政府がどうやって民間より効率の高い事業を選ぶのか、そして間違えた場合にどうやって事業をやめるのかという制度設計を明示しないかぎり、危なくて採用できない。
しかし小野氏の政策提言は、彼の複雑なマクロ動学理論とは関係なく、彼の労働についての独特の考え方から導かれる。それは「完全雇用のときは新古典派のいうように供給の効率を上げればいいが、不完全雇用のときは失業者は社会的な無駄だから政府が公共事業で雇用すべきだ」というものだ。これは古典的ケインジアンに近いが、失業は「無駄」なのだろうか。
小野氏の想定している完全雇用(自然失業率)は3%前後らしい。今の日本の完全失業率は5%前後だが、彼の推奨するように(自然失業率との差)2%分の労働者を政府が雇用したら、何が起こるだろうか。これは120万人を雇用する巨大な公共事業で、それに使われる予算は1兆円を超えるだろう。そのコストは人件費だけではなく、資本設備や原材料費も含む。
この場合に経済学で正しいコスト計算は、同じ1兆円を何に使うと効率が最大になるかという機会費用である。池尾和人氏も指摘するように、失業の機会費用がゼロであれば小野氏の議論は成立する。どんな公共事業でもゼロより高い価値を生み出すので、プロジェクトの選択は大した問題ではない。
しかし公共事業のコスト(失業の機会費用)がそのプロジェクトの価値を上回る場合には、1兆円のコストをかけて1000億円の価値しかないダムや地方空港を建設することがある。この場合、その損失9000億円は失業者を雇用する便益よりはるかに大きいので、不要な地方空港を建設するより失業者を放置したほうが社会的厚生は大きい。いいかえれば、失業を減らすことができても「やってはいけない公共事業」があるのだ。
したがって小野理論の正否は、つまるところ公共事業の費用便益分析に帰着する。つねに便益が費用を上回る「よい公共事業」を政府が選択できるなら、失業しているよりましだが、今の日本のボロボロの財政状況は、そういう選択能力が政府にないことを示しているのではないか。「環境や観光インフラ、医療、健康」に税金をつぎこむターゲティング政策で、政府がつねに民間より賢明だという証拠はあるのだろうか。
これはソフトバンクの「光ファイバー公社」と本質的に同じ問題である。公共事業の前提は政府が絶対に間違えないということだ。世の中に絶対はないが、政府が公権力を公使する場合には絶対が求められる。市場は間違えた経済主体を淘汰するメカニズムを内蔵しているが、官僚は間違えないことを前提にして事業を起案するので、間違えた場合にも引っ込みがつかない。これが公共事業が間違える最大の原因である。
ハイエクものべたように、市場経済の最大のメリットは「パレート効率性」を実現することではなく、不完全な知識でもなんとか動き、間違えたら訂正する自由度が高いことにある。小野氏の「よい公共事業」論もソフトバンクのNTT国営化も、政府がどうやって民間より効率の高い事業を選ぶのか、そして間違えた場合にどうやって事業をやめるのかという制度設計を明示しないかぎり、危なくて採用できない。
コメント一覧
こんな当たり前のことを100回言っても分からない人が多過ぎる。
アンケートで内閣に取り組んで欲しい課題について尋ねると、いつも上位に「景気対策」が挙がるわけだけど、本当に景気をことを考えるならば、政府には「何もするな」とお願いするのがベターだろう。次に「法人税を下げろ」と言うのがベストじゃないだろうか。
民間ですら投資に失敗するのに、政治家や官僚が考えた投資が成功すると思うのはナイーブ過ぎです。
子供手当てを経済政策の文脈で語るのは、少なくとも民主党の意図とは全く異なりますよね。「環境や観光インフラ、医療、健康」と言っても、それが長期的な経済成長にどのように結びつくかについて具体的イメージがほとんど湧かないのは私だけでしょうか。
>こんな当たり前のことを100回言っても分からない人が多過ぎる。
それは言う側にも問題があるような気がします。当たり前のことに気づいていない人にでも分かるように伝え方を工夫すればいいのでは。それに101回目に新しい風が吹くかもしれませんよね。
日本のことを本当に憂うのであれば、自分の手と足と口をフル活用して世の中に「おかしさ」を訴えればいいのではないでしょうか。自分で社会にムーブメントを起こせばいいのではないでしょうか。
経済を分かっていると自負する人達にもっと精力的に活動をしてほしいと常々思っています。中途半端に批判をするだけでリソースの無駄遣いをしているような気がしますので。
>間違えた場合にどうやって事業をやめるのか
同時に、失敗したら国家公務員専門の弾劾裁判を設けて、「なぜ失敗したのか」や「担当者に過失がなかったか」などを吟味する必要は今すぐにでも必要でしょうね。担当者に問題があっても更迭されるばかりで一向に罰せられない。
退職した人も過去の事案にさかのぼって個人資産没収したり、ブタ箱入れたりするべき。
菅さんのやりたいと考えてることは、吉川洋さんや島田晴雄さんや伊藤ガンジュウが小泉政権でやってました。効果はあったけど、財政拡大はほとんどやらない地道な制度改革でした。
>「これまであまり育っていなかった分野では、例えば環境や観光インフラ、医療、健康などが考えられる・・・
「健康」という絡みでは、官僚の生態系に配慮した公共事業をすればよい。窓の小さな霞ヶ関ビル群、病院みたいな官舎、モグラの通路みたいな暗いtube・・・高級官僚をこんな過酷な生態にしていたら、精神状態に影響するでしょう。
ミッドタウン・タワー、グラントウキョウみたいなオフィスにしないとダメですね。あと、霞ヶ関のオフィスには花がない、だから一輪くらい飾らないと、一階エレベーター前でもいい。官舎なんか田舎の公務員以下です。丸の内線とか日比谷線は罰ゲームでしょう。
まあ、ちょっと冗談ですが。
百%成功するかどうかはわからない。
しかし、民間がやるにはリスクが高すぎる。でも、現状を見て何かしなければいけない事ってありますよね。
例えば高齢化対策など。あるいはエネルギー開発など~
過去の公共事業にしろ、新幹線網の整備、宇宙開発。これらは民間に出来なかったでしょう。あ、それに原子力発電所もあります。
いま、日本が競争優位にあるのが官営事業を出発にしているのですから、もう少し考えてみる必要があるんじゃないでしょうか?
経済学的な議論はとても参考になります。福祉の分野では、失業保障とか、保育サービスなどの明らかに不足している分野があることは事実ですが、それが景気対策だといわれるとちょっと違うような気もしてしまいます。しかし費用便益分析といわれると、なるほどという感じです。効率的な配分を達成するためにはバウチャーなどの具体的な政策論議も国会などでもっとなされるべきですね。景気対策というテーマ設定ですと効率的な議論が締め出される感がありますね。
しかし経済学者の先生方々が個々の政策にしっかり付いていると、郵政問題のような暴走はなくなるのかな?という感じで期待できる面もあります。福祉サービスの配分の見直しなどの問題も、政党が組織票獲得のために政治的に利用しようと思えばいくらも出来るわけですし。政策判断を誤ると取り返しのつかないことになってしまいますので、今後もこういう方向で政策論議がされるととても良いように思います。
>いいかえれば、失業を減らすことができても「やってはいけない公共事業」があるのだ。
まったく同感です。
私見を補足するなら、「やってはいけない公共事業」とはその事業の期待利回りが国債の調達金利を下回ると考えられる公共投資だと思います。
財務省などは一番これをよくわかっていると思うのに、これができてこなかったのがこれまでのこの国の公共事業。
よって「環境や観光インフラ、医療、健康」に分野が変わっても同じ事を繰り返す可能性が高い。
日本の公共事業には、利権構造が染みついていると思われるので、これを変えていくには時間がかかるし、その時間はないと思う。
よって私はこう考えます。
同じ経済対策をするなら、最も長期的な生産性を高めるのに必要だと思われる少子化防止のために、最に直接的な主体である子供に直接お金をバラまく子供手当は有効な景気対策である。
この政策をもっと強烈に推進すべきである。
子供手当などの給付はそれまでの出費を代替してしまい新たな雇用や需要は生まれない、というのであれば、それはすべての経済対策に当てはまると思います。
継続しない雇用や需要は給付と同じと思います。
乗数効果は事後的に判明するもので、事前に予測できる性質のものではない以上、税金でリスクを取る事業に用いる性質の考え方ではないでしょう。
乗数効果は、淘汰のリスクに常にさらされる民間が予測するべきものだと思います。
民主党が変な方向に舵を切っているように思えます。
これまでは結果的には良い方向性になっていると思っていたので、最近の方向転換は残念です。
自民党の全否定に存在意義を見出している民主党にとっては「今の日本のボロボロの財政状況」は自民党主導だったからで、民主党が主導すれば違うという思い上がりがあるのでしょう。
自民党と全く同じ「政治と金」の疑惑に対して、それを客観視できずにスルーするのを見ると、自民党と同じ轍を踏んで、いや、与党と内閣の別も付けられない現状を鑑みると非常に残念ですが自民党より酷いバラマキをして「日本の財政状況に止めをさす」のは時間の問題でしょうね。
よくわからないのですが
最低の賃金=失業手当+余暇の効用
(賃金+材料費など)-失業手当<事業からの便益
なら意味のある公共事業ということでしょうかね? 乗数効果は考えないで、1として。
>政府がどうやって民間より効率の高い事業を選ぶか、
>そして間違えた場合にどうやって事業をやめるのかと
>いう制度設計を明示しないかぎり、危なくて採用でき
>ない
失業対策として公共事業で雇用を創出するのであれば、政府が民間より効率の高い事業である必要ではなくて、継続可能で収支のバランスが取れている事業であればよい。大抵の場合は、誤った需要予測でバランスがとれずに税金を大量の入れていることが問題。
民間の効率は、収支の拡大ではなく原価の圧縮、雇用の流動性(派遣やパート、アルバイト)や賃金カットで調整することがある。この場合は、1つの企業の効率という点では問題はないが、社会全体でとらえれば、大量の失業を社会にばら撒いているわけで、日本全体(マクロ)で捕らえればなんら効率化していない。
後半の行、間違った場合にどうやめるのかの制度設計は賛成です。
> 次に「法人税を下げろ」と言うのがベストじゃないだろうか。
法人税を下げることにより、企業に入ったお金が新しい事業への資金や設備投資、もしくはボーナスとして使われるのであれば良いが、そうなることはなく内部保留されるだけだと思います。
また、日本でお金を稼げる市場がなければ、企業は海外に展開するし、海外に展開すれば海外で現地雇用します。その費用が減税された法人税でまかなわれるのであれば、減税した以上にこの国の税収が落ち込むと思います。
国際競争力を保ち、国内の雇用も確保する方向での法人税の減税であれば良いですし、そうなる税制度設計をして欲しいです。どちらかというと、法人税減税の特例枠の強化です。広く一律な減税ではなくて。頑張っているとこに応援するという社会であって欲しいです。
> 同じ経済対策をするなら、最も長期的な
> 生産性を高めるのに必要だと思われる
> 少子化防止のために、最に直接的な主体
> である子供に直接お金をバラまく子供手当は
> 有効な景気対策である。
既に生まれている子供に手当てをバラまいて少子化防止につながるとは思いません。また、子供のいる家庭がさらに子供をつくる事よりも、現在、結婚していない独身が結婚して、子供をもうけるほうが少子化対策につながると思います。少子化対策という点では、未婚率や晩婚に歯止めをかけるほうが先決です。
生まれている子には、努力をしたら相応に報われる社会であると教育をするべきですし、そういう社会にするべきです。
人数制限をせず、優秀でかつ親の収入が低い学生は、日本国籍を問わず日本に在住していれば支援するだけで良いのです(授業料免除枠世帯収入の引き下げ)。
有効な景気対策かどうかは、給付がされたばかりですから、もう数ヵ月後に判ります。小生は効果がないと思います。
貧乏子沢山と言われていたのは、一昔、現在は、貧乏人は未婚なのです。子供がいる家庭は、安定収入があったり、親の援助などで子供を育てるだけの収入があるのです。そういった家庭は、将来の大学費用やら下宿費用に備え貯蓄に廻し、消費に廻らないのです。
話はそれますが、景気対策であれば国内消費を増やすことです。消費を増やすため、大金持ちに消費してもらうという発想はありと思っています。例えば、車コレクターの大金持ちが沢山の車を購入した場合は、減税するといった感じです。大金持ちを減税する場合は消費する場合に限り、土地やマンションや株などの投機といった資産を増やす場合には減税してはいけないのです。
≫最も長期的な生産性を高めるのに必要だと思われる少子化防止の(中略)子供手当は有効な景気対策である
もしそうなら、特殊出生率の増加の数値目標を出すべきですね。少子化防止の入り口は、男女の婚姻率の向上です。結婚すれば子供を持つようになります。
結婚のインセンティブがなさ過ぎるのです。子供がいない方が楽しい生活が出来るのですよ。可処分所得が、子供の有無で大違いです。
考え方が間違いで、年金の掛け金を払っているのは自分の為ではなく、親への仕送りです。自分の掛け金は、子供を育てることなのです。子供を育てず、年金が受取れるから、結婚しないし子育てしない。可処分所得を考えると、結婚せず子育てしないのが勝ち組です。
結婚しない、子育てしない人々に対して、累進課税をやるべきです。それが、結婚のインセンティブです。
≫貧乏子沢山と言われていたのは、一昔、現在は、貧乏人は未婚なのです。子供がいる家庭は、安定収入があったり、親の援助などで子供を育てるだけの収入があるのです。
こう言うステレオタイプの、悪い評論家や学者の言説にたぶらかされたウソを信じている人が多いのは残念なことです。
厚労省が継続して追跡調査をしているデータで見ると、結婚をするのに、年収が影響しているのは確かではあるが、その影響度は低い。
年収100万円未満男性ーこの3年結婚しなかった91.8%
年収500万円以上男性ーこの3年結婚しなかった80.4%
> 結婚しない、子育てしない人々に対して、累進課税をやるべきです。
> それが、結婚のインセンティブです。
そんなことをしたら、20代の若い世代は増税をされて希望もなにもないですね。
年金との関連でお話されていますので、そうであれば、子供がいる場合は年金受給額が増える、いない場合は減るとするのではないでしょうか。
正直、インセンティブがあるから結婚するとか子供を作るとか・・・
1. 人を愛する幸せ
2. 既得権益がなく頑張ることで裕福になれる可能性
3. 社会的に子供を生みやすい環境
愛と経済と社会のバランスです。
≫貧乏子沢山と言われていたのは、一昔、現在は、貧乏人は未婚なのです。子供がいる家庭は、安定収入があったり、親の援助などで子供を育てるだけの収入があるのです。
残念なことだが、悪い学者や政治家のウソをそのまま信じている人が多く、このようなコメントが通用してしまう状態だ。データを調べてから、人のコメントは信じないとロクでもないことになる。
厚労省の継続調査で見れば、年収は結婚する率に影響を与えてはいるが、その度合いは小さい。
年収100万円未満男性ーこの3年間結婚しなかった率91.8%
年収500万円以上男性ーこの3年間結婚しなかった率80.4%
わずか、12%の差しかない。年収が200万を超えると大差なしとなる。
夫婦の収入を区分してこの5年間での出生を調べているが、
完全に収入に逆相関で出生している率が高い。高収入の夫婦ほど子供を持たない。(推測だが、女性が高収入を得る職についているので、保育施設の不完全な日本では子供より仕事を選定している可能性が高い)第3子以上の子持ちとなる率は、完全に収入の低い夫婦の方が完全に高率である。
21世紀成年者縦断調査結果の概況
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/judan/seinen09/kekka2-5.html
民主党のベテランや中堅には政党は政治のための手段か道具であると考えている議員が多いと思いますね。だから良い政党をつくろうと努力しているように見えないし政策に重みがない。
権力は政党に宿ります。政党を手段か道具のように考える政治家は大きな間違いをすると思いますね。
ただ、私が不思議に思うのは、経済学者の中にも政党を手段か道具のように考えている人が多いということです。官僚やマスコミ関係者にも多いですね。権力は国家に宿るとでも思っているのでしょうか?
政党が腐敗すると権力が不在になります。そのような場面で国家が突出すればファシズムになってもおかしくない。小野先生の政治に対する考えを聞いてみたいですね。何か勘違いしているように思います。
小泉改革がそれなりに成果をあげたのは、やはり竹中平蔵氏が普通の経済学者だったからだと思います。彼の考え方は「新自由主義」などといわれるような特殊なものではなく、ほとんど教科書的な経済理論です。
それに対して小野理論は非常に独特なもので、何をいっているのかよくわからない。理論のつくりはマクロ動学なのだが、DSGEとの関係も不明で、その拡張にもなっていない。ただ結論は「不況で増税してもいい」とか「社会福祉で成長する」とか菅氏の結論に都合がいいので、つまみ食いされているようにみえます。
子供手当に対するコメントしてくださった方、ありがとうございます。
またちょっと話題をずらしてしまったようで申し訳ありませんでした。
コメントは大変参考になりました。
自分でもこの問題をまた考えてみます。
ただ数か月で効果は出てこないでしょうね。
5年、10年単位で継続的に行う事で、広く深く効いてくる政策だと考えています。
給付するのは既婚の家庭ですが、お金に余裕がない未婚の独身のマインドがターゲットです。
未婚の独身にお金給付するから子供作れというのはさすがに無理があるのでw
また都道府県別の出生率とみると、既にお金もちの人よりもこれからの人達の方が子供を3人もつ可能性が高いと思います。
普通のサラリーマンの独身の人が結婚したら、子供は最低3人は欲しい、と考えるようになる事が子供手当の長期的な目標だと思います。それでようやく出生率は2くらいになるでしょう。
これについてのモデルはフランス。
ただ日本はフランスほど移民がいないので、より強烈な政策が不可欠だ、と考えています。
>結婚しない、子育てしない人々に対して、累進課税をやるべきです。
けどさすがにこれは強烈すぎる気がします。。。
結婚しないのもまた自由ですからね。
もし民主党が今後、介護福祉士などの一部の専門職の賃金を上げるような制度改正を促進するとしたら、たしかに介護の仕事で将来生活していこうという若者は増えるのかもしれませんし、それ自体はいいことかもしれないですが、一方で、同時に労働環境の効率化というんでしょうか?規制緩和のような法整備を一緒にやらないと社会保障費全体の高騰を招いてしまいます。すると将来的にはやはり、増税の要因になってしまいますし、それ以前に、若者の多くがこういった職種に固定されることが果たして日本の経済にとって望ましいのか?という疑問も感じます。
福祉の現場では現状、ボランティアさんなども多く関わる職場なわけですし、地域のいろいろな層の方がやりがいを感じて関わりうる職場であることは確かです。ですのでむしろ、雇用環境における規制緩和的な方向付けのほうがより望ましいはずですし。そのほうが地域のあまっている資源を有効に活用できる可能性があるのではないかと。特に介護事業などはそうでしょう。
しかし厚労省の方針は真逆に近く、昔からなのですが、有資格者でなければ業務一般に関われないというような運用をしたがるし、資格制度の運用も下手糞で、とにかく失敗続きです。そういったことが結果的に、事業所においては経費の圧迫要因になっているでしょうし、働き手にとっては、特に有資格者にとってはむしろ賃金の抑制要因になっているのではないか?と思うことがありますね。
もう時代が変わっていると思いますので、民主党にはとにかく規制緩和的な方向で社会福祉分野の制度改革をお願いしたいなと思っていますが、まああまり期待できませんので、これ以上悪い方向に行かなければそれでいいかなという感じです。
>年収100万円未満男性ーこの3年間結婚しなかった率91.8%
>年収500万円以上男性ーこの3年間結婚しなかった率80.4%
>わずか、12%の差しかない。年収が200万を超えると大差なしとなる。
年収100万円未満男性ーこの3年間結婚した率8.2%
年収500万円以上男性ーこの3年間結婚した率19.6%
わずかでなく、2.39倍である。
>厚労省の継続調査で見れば、年収は結婚する率に影響を与えてはいるが、その度合いは小さい。
3年間のフローの断片的データで、年齢階層も不明。
元々未婚率が高い年齢層なら、収入の影響度はそもそも高くない可能性があるので、年齢とのクロス、生涯未婚率に関するデータも調べた方が良いのでは?
>完全に収入に逆相関で出生している率が高い。高収入の夫婦ほど子供を持たない。第3子以上の子持ちとなる率は、完全に収入の低い夫婦の方が完全に高率である。
100万円未満~200~300万未満の層のサンプル数が少ないし、この収入層で2~3人の子どもがいるというのは、本当に生活できるの?という素朴な疑問がわきます。確かに数字上ではおっしゃるとおりなのですが、個々の特殊事情が影響している可能性があるので、「完全に」とは言い切れないのでは?
この水準の収入で子どもが多ければ、資産や親の援助がなければ、金銭面から考えて生活が成り立たないと思うのですが。
>結婚しない、子育てしない人々に対して、累進課税をやるべきです。それが、結婚のインセンティブです。
バカなことを言うな。それはペナルティ(罰則)というんだ。結婚しなかったら課税、子供がいなかった課税?冗談じゃない、結婚するのも子供を持つ持たないもすべて個人の自由だ。そんな国には済みたくもないね。だいいち結婚したくてもできない醜男や、身体が悪くて出産できない女性にもペナルティを科すのか?
子供が死んだら課税されるのか?アホか。
インセンティブとはご褒美のことを言うんだ。
永田町界隈では、参院選後に民みん連立内閣ができるとの噂が流れています。私は、民みん連立内閣は最悪の内閣になると思うので、少し長くなるでしょうし本題からもズレますが、書かさせてください。
国家と国民、市場は交換規則の異なる三つの領域です。何もしないで放置すれば、三すくみ状態になる。三すくみを回避して三位一体化させる作業が政治であり、したがって権力は政党に宿ります。もしも政党が機能を喪失すれば、権力が不在になり、三すくみ状態が露出します。そして、やがて三つの領域のどれかが突出します。国家領域が突出すればファシズム国家が誕生するでしょうし、国民領域が突出すれば国家が解体され、市場領域が突出すれば国家間の併合が起こるでしょう。日本の場合、国家が突出する可能性が高いと思います。みんなの党は、官僚主義を打破すると言いながら、一方で、国家を肥大化させる政策を打ち出しています。そのような政党と意味不明なマクロ経済理論を背景とする民主党が連立すれば、かなり危ないという気がします。
もう言ってもいいことだと思うので言いますが、小泉さんが郵政民営化を断行したのは、「自民党のため」です。少なくともご本人はそう思っている。公社化により、郵貯が財政投融資のリゾート化している状況は解消していたのです。にもかかわらず、参院選で敗北をした自民党を立て直すには民営化するしかなかった。小泉さんは、権力は政党に宿るということが分かっていた。
権力が宿る実体であるにもかかわらず、政党を政治の手段や道具であると考える政治家は、与党であれ野党であれ、無知であると言うしかない。そのような政治家は、たいがい、権力は国家に宿ると思い込んでいるでしょう。七月の参院選は、自民党の敗北が濃厚ですが、せめて日本に二大政党制を定着させるための選挙にしたいと思います。日本の統治機構をイギリス型に刷新するのであれば、同時に日本の政党政治もイギリス型に刷新しないといかんでしょう。