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技術世界一でも国際市場の9割が海外メーカー

首相がトップセールスしないから世界一の新幹線・リニアが海外で売れない

SAPIO 2010年5月26日号掲載) 2010年6月10日(木)配信

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 ちなみに、融資もセットで売り込むべきだ。例えば中国はアメリカ、ブラジルだけでなく、中近東、南米、東南アジアの鉄道プロジェクトにも積極的に参入を図っているが、その際、国有銀行と連携している。それに対して日本は、メーカーと銀行が個々別々に動く傾向がまだまだ強い。

 だが、そう遠くない時期に日本の経済界全体が「日本株式会社」設立に向けて動くはずである。昨年9月には国交省に「鉄道国際戦略室」が新設された。日本の鉄道システムの海外展開を推進する部署である。私に言わせれば「ようやく」ではあるが、歓迎すべきことである。この部署と「日本株式会社」が一体となり、つまり官民一体となり、その上で首相がトップセールスするのが理想である。その機運は高まった。

 今年4月、ベトナム政府はハノイ・ホーチミン間1600kmに計画している高速鉄道に関し、日本の新幹線方式を採用することを閣議決定した(総事業費5兆円超)。また、日立製作所がイギリスの高速鉄道プロジェクトに1400車両を納入することが内定している(受注額1兆円規模)。

 不十分な態勢でありながらこうした成果を上げていることを考えれば、万全の態勢を組めば、さらに受注合戦で勝利を重ねられるはずである。

【PROFILE】1939年生まれ。明治大学政治経済学部卒業。世界保健機関のハンセン病制圧特別大使、外務省のハンセン病人権啓発大使などの活動を通し、長年ハンセン病の制圧に尽力。役職多数。近著に『不可能を可能に 世界のハンセン病との闘い』(明石書店)など。

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