西都・児湯地区「経営に影響」85% 県調査

(2010年6月15日付)

 県は14日、口蹄疫の主な感染地域となっている西都・児湯地区の商工業者を対象とした緊急の影響調査結果を明らかにした。地元業者から経営難を訴える声が相次いでいるのを受けて実施。売り上げ減少など「影響がある」と答えた業者が85%に上り、うち売上高が前年同月(5月)に比べ3割以上落ち込んだ業者は61%に達した。小売、サービス業をはじめ、全業種でほとんどの業者が影響を認め、間接被害のすそ野が確実に広がっている実態が浮き彫りとなった。

 調査は西都市と東児湯5町の620事業所を対象に5月31日〜6月3日、商工団体を通じファクスや電話聞き取りで実施。同日の県議会商工建設常任委員会(水間篤典委員長、9人)で明らかにした。

 売り上げ減少などの影響があったと回答した業者の割合は、市町別では木城町(対象数41事業所)が95%で最も高く、都農町(同81事業所)93%、西都市(同187事業所)88%と続く。業種別では小売業89%、サービス業88%、卸売業86%の順だった。

 前年同月と比べた売上高の落ち込みは3〜4割と答えた業者が29%、5〜6割が21%、7割以上が11%。3分の2近くが、経営に深刻な打撃を受けていることになる。

 売上高が3割以上落ち込んだ事業所の比率を市町別にみると、最も高いのは都農町で69%。次いで新富町(同67事業所)68%、川南町(同49事業所)67%となっている。業種別ではサービス業70%、卸売業68%、運輸業67%の順。

 売り上げ減少以外の経営に対する影響(複数回答)は、(1)客数の減少87%(2)予約のキャンセル32%(3)資金繰りが厳しい25%―などの順だった。

 今後の見通しは「今までに経験したことのない客数減少。原状に戻るのに相当な時間が必要」(サービス業)、「今後、休業せざるを得ない。廃業も考えている」(小売、飲食、製造業)などの悲痛な声が聞かれた。行政に対しては融資条件緩和や一日も早い終息宣言、県産品のイメージアップなどを求める声が上がった。