横浜オーナー“原点回帰”指令！佐伯、大西が昇格

１軍昇格が決まり、報道陣に囲まれる佐伯 Photo By スポニチ

　９連敗中で最下位に沈む横浜の若林貴世志オーナー（６７）が１４日、猛ゲキを飛ばした。尾花高夫監督（５２）が開幕前に掲げた「投手は３点以内に抑え、野手は４点以上取る」という原点に帰ることを熱望。そのうえで、１５日のソフトバンク戦（横浜）を緊急視察することも明かした。また、テコ入れ策として、佐伯貴弘内野手（４０）と大西宏明外野手（３０）のベテラン２人の今季初の１軍昇格が決まった。

　１３日オリックス戦（京セラドーム）で９連敗し、「定位置」の最下位に転落。尾花新体制になっても好転しない惨状に、都内の自宅で取材に応じた若林オーナーは「困ったもんだね」と険しい表情を浮かべた。交流戦は５勝１８敗の最下位で、防御率５・２０、打率・２３８とも１２球団ワースト。投打がかみ合わない状況に黙っていられなかった。

　「もう一度原点に戻ってやってほしい。投手は１点でも少なく抑え、野手は１点でも多く取るというシーズン前に掲げたことをね。佐藤（球団常務）を通じて言ってある」。原点とは開幕前に尾花監督が掲げた「投手は３点以内に抑え、野手は４点以上取る」という基本理念だ。さらに同オーナーは１０連敗阻止へ「あした球場に行きますよ」と緊急視察も決めた。平日のナイターに出向くのは異例のことだ。

　尾花監督もテコ入れに動いた。この日横浜スタジアムで全体練習を行い、合流した４０歳のチーム最年長・佐伯と大西の両ベテランの１軍昇格を決断。島田ヘッドコーチは「うちの選手はおとなしいから一番の長老にカツを入れてもらって、ムードを変えてもらいたい」と説明した。今季初の１軍昇格で、左の代打としても期待される佐伯も「何とかこの流れを断ち切らないといけない。元気を出して盛り上げていきたい」と語った。

　全体練習終了後、尾花監督は横浜市内のホテルで球団幹部と会談を行い、今後の補強策などについて話し合った。このままズルズル落ちていくわけにはいかない。若林オーナーの猛ゲキを受け、リーグ戦再開前の最後の一戦を一致団結して勝ちにいく。

[ 2010年06月15日 ]