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 5月22日、日朝首脳会談が平壌で行われ、その結果、5名の拉致被害者家族が日本に帰国した。日本側も、人道支援を約束した。 この中で朝鮮民主主義人民共和国に拉致され、死亡したと見られる10名の安否が明らかになることはなかったが、中立的な立場から見て、平和な関係を築くための第一歩が踏み出された会談であったと思う。 さて、ここで我々の属する左派メディアが拉致問題についてどのように報じていたかを考えてみよう。 拉致問題が明るみになった一昨年の日朝首脳会談以後は「拉致問題の解決を」とどの左派系メディアも言うようになったが、それ以前は「拉致はない」という方向を貫き、拉致被害に苦しむ人々を一顧だにしなかったというのが、多くの左派系メディアの姿勢ではなかっただろうか。 今、私の手元に「北朝鮮バッシング」という本がある。朝鮮に詳しい北川広和氏が書いた本であるが、拉致疑惑(当時)について以下のように書いている。 「拉致疑惑はどこまで行っても疑惑にすぎない」 その上、彼は、拉致疑惑は「北朝鮮の脅威」を煽るための「事件」だと断じてしまっているのである。 99年に発行された本の内容であるが、当時の拉致問題に関する思想的隔絶を考えると、左派系の人々は大なり少なりこうした考えであったのではないだろうか。 この件は北朝鮮側の暴露によって真実であることがわかるのだが、拉致問題に対し「疑惑」であるからと放置せずに、徹底した調査を行っていれば、今回の首脳会談において、安否不明の10名が帰国した可能性もあった。 そう考えると左派と言われている人間の「責任」は重いものとなる。これからの世界平和に向けて反米諸国の闇を暴いていくことが求められるかもしれない。  |