中止相次ぐ中、ザ・コーヴ上映 イルカ漁批判の米映画抗議や街宣活動の影響で、上映の取りやめが相次いでいる米アカデミー賞受賞作で日本のイルカ漁を批判した米映画「ザ・コーヴ」が9日、東京都内のイベントホールで上映された。 映画監督の森達也さんらが参加した上映後のシンポジウムでは、特別ゲストとして参加した主演のリック・オバリー氏が「憲法21条に言論の自由が保障されている。日本人はこの映画を見る権利がある」と主張した。 同映画は和歌山県太地町のイルカ漁を隠し撮りしたドキュメンタリーで、フリージャーナリストの綿井健陽さんは「太地町の人々の生活と言い分は保障されるべきだ。制作側も太地町の人々の抗議にきちんと応え、その後に表現の自由についての議論があるべきだ」と呼び掛けた。 上映前には主催した月刊誌「創」の篠田博之編集長が「映画を見て、中止することが正しいのか考えてもらいたい」とあいさつ。会場の外には約20人の警察官がずらりと並んで警戒にあたり、物々しい雰囲気となった。 同映画は全国の計26館での公開が決まっていたが、東京や大阪で相次ぎ上映を取りやめた。 【共同通信】
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