2010-06-15 ブーメラン的論理の遊び
coffee breakみたいな軽いお遊びです。話の始まりは石川県医連(石川県医師会の政治団体)が来月の参議院選挙での推薦を民主党候補ではなく自民党候補にした事です。選考経過は6/11付読売新聞にあります。
県医師連盟は、政権交代を機に従来の自民支持方針を転換、候補者の政策を推薦の判断基準にするとして、6日、3人の立候補予定者を招いて医療問題を巡る討論会を開催していた。
どうもなんですが立候補予定の3人の候補者にプレゼンをさせ、それで推薦者を決定したようです。結構オープンな手法を取った事に感心します。団体の候補者推薦なんて上の方の人間の密室協議で決まるのが恒例と勝手に思っていますが、実際に候補者を呼んで比較検討するなんてあんまり聞いたことがありません。選考方法自体は今までになくオープンじゃないかと感じます。
ところがと言うか、当然のように推薦を受けられなかった民主党候補者及び民主党石川県連は不満です。どれぐらい不満であったかを6/13付中日新聞が記事にしています。
県医師連に抗議へ 選対会議で民主県連 西原氏の推薦拒否で
参院選石川選挙区に出馬を予定する民主党新人西原啓氏(51)の合同選対会議が十二日、金沢市二口町の後援会事務所であった。県医師会の政治団体「県医師連盟」が自民党現職岡田直樹氏(48)を推薦し、西原氏の推薦依頼を断った経緯に批判が相次ぎ、民主県連が近く同連盟に抗議することを決めた。
県医師会は六日、民主、自民、共産の三候補予定者を招いた医療政策討論会を開き、会員の医師約三十人が参加した。県医師連盟は同日の執行委員会で、推薦依頼が出されていた岡田氏の推薦を決めたが、「(岡田氏)単独で推薦決定したわけではない」と説明。民主県連は翌七日、西原氏の推薦を正式に同連盟に依頼したが、同連盟は十日に「推薦せず」との結論を出した。
選対会議で口火を切ったのは西原氏。「公開討論会と聞いて参加したが、メディアや一般の方を除いて行われた。議事録も選挙が終わるまで会員に配布しないという。自民の政治のように密室で、閉鎖的で、陰湿な演出だ」と語気を強め、宇野邦夫選対幹事長も「自民を勝たせるための田舎芝居で許し難い」と怒りをあらわにした。
一川保夫選対本部長は終了後、「(県医師連盟は)西原氏をPRに利用した。非常識で、反省を促したい」と語り、週明けにも同連盟に抗議を申し入れる意向を示した。
推薦が受けられなかった事に不満であるのは記事からヒシヒシと伝わりますが、民主党候補者と民主党石川県連では不満の持ち方に温度差があるように感じます。石川県連の不満は、
石川県医連は最初から自民党候補者を推薦する予定であったにのに、わざわざ民主党候補者を討論会にまで呼び出して赤恥をかかせたたぐらいの意味に受け取ります。簡単に言えば「推薦する気もないのなら最初から呼ぶな」のニュアンスと思われます。もうちょっと言えば「呼ぶなら必ず推薦しろ」ぐらいの感じです。つう事は、民主党石川県連の主張として、
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団体推薦で公開討論会などは不要
なぜなら公開討論会を行なって、民主党候補者が推薦されないという選択は、主張によると「無い」みたいですから、そもそも公開検討会などは不要になります。石川県の他の団体で来月の参議院選挙で推薦を検討中のところは十分に御注意下さい。公平を期そうと考えて討論会などやって、民主党候補を推薦しなかったら猛反発を食らいます。
候補者の方はちょっと違うニュアンスの不満をお持ちのようです。
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公開討論会と聞いて参加したが、メディアや一般の方を除いて行われた。議事録も選挙が終わるまで会員に配布しないという。自民の政治のように密室で、閉鎖的で、陰湿な演出だ
候補者は「どうやら」ですが検討会に呼ばれた事自体は不満はないようです。これもどうやらですが、推薦を受けられなかった事より推薦の選考過程の方に不満の重点を置いている様に感じます。つまりは選考の方法が、
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密室で、閉鎖的で、陰湿
たぶん密室とは討論会に「メディアや一般の方」が参加していない事であり、閉鎖的及び陰湿とは「議事録も選挙が終わるまで会員に配布しない」と考えれます。とにかく選考方法が「密室で、閉鎖的で、陰湿」で話にならないの御不満と解釈しても悪くは無さそうです。これは候補者の政治信念ですから、「なるほど」ぐらいには傾聴しないといけません。
謹んで傾聴しなおすと、当然のような疑問が湧いてきます。民主党候補者は推薦の選考過程を酷評しています。そこまで酷評すると言う事は、選考過程自体が不備の塊で評価に値しない事と解釈できます。選考方式自体は、現場では呼ばれた候補者にある程度公平な立場を与えています。つまりと言う程の事はありませんが、民主党候補者が推薦される可能性もあったと言う事です。
そうなれば仮に民主党候補者が推薦されても、その推薦は「密室で、閉鎖的で、陰湿」になります。つまり推薦されるに値しない経過で推薦された事になり、そんな推薦は受けれるはずがないにつながります。さらにこの話は一般化します。この候補者が受けた推薦はすべて「密室で、閉鎖的で、陰湿」で無い選考過程を経たものでなければならない事になります。
とりあえず民主党候補者のブログを確認すると、
今日は、知覚障害者協会の総会に出席しました。障害を持ちながらも明るく元気に活動されているみなさんを拝見して、この方々のためにできることを精一杯頑張って協力していこうと意を強くしました。弱者の方に政治の光を当てる、そうした政治を実行してまいります。総会では、今夏の参院選石川選挙区での推薦を頂戴しました。本当に有難うございます。皆さんのお気持ちを絶対に無にしないよう全力で頑張ります。
知覚障害者協会の推薦を受けたようです。知覚障害者協会の推薦決定は、「総会」で決定されたようですが、これは当然の様に「密室で、閉鎖的で、陰湿」選考過程を経たものでなければならないはずです。少なくとも記事情報に基づけば、総会には「メディアや一般の方」が参加され、議事録は会員に直ちに配布されていなければなりません。
きっとですがこの民主党候補者は他の団体の推薦を受けるに際して「密室で、閉鎖的で、陰湿」これに抵触しないか慎重に吟味を加えられているものと思っています。そうであるからこそ、石川県医連のやり方に怒りを爆発させていると受け取るのが妥当でしょう。
まさかと思いますが、推薦を受けれた団体ならば、「密室で、閉鎖的で、陰湿」であろうが何であろうがウェルカムで、推薦されなかった団体にのみクレームを付けるなんて政治姿勢であるはずが無いからです。もしそういう対応を行なえば、世間ではダブスタ(二重基準)と呼び、もっとも唾棄される行動と見なされます。
望むらくは、石川県医連の選考方法がいかに「密室で、閉鎖的で、陰湿」であるかを暴露するために、他の団体の推薦過程がどれほど「透明性が高く、開放的で、明朗」であるかを公表すべきでしょう。そうすれば石川県医連の前時代性が浮き彫りになるだけでなく、この候補者の明快な政治姿勢をアピールする事につながります。
もっとも、ものは言いようで、この候補への他の団体の推薦に関しては、、
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民主の政治のように、透明性が高く、開放的で、明朗
こうやって表現を使い分ければ、あくまでも主観として強弁は可能かもしれません。えっ!、メディア報道を鵜飲みするなんてリテラリシーが足らないんじゃないかって?その程度の遊びの話題ですから、差し支えないと思っているのですが拙いでしょうか。