先週通常国会が始まり、今週から代表質問などで論戦が活発化しています。今国会は、「ガソリン国会」とも言われているとおり、ガソリン税をはじめとした「道路特定財源」が最大の争点になっています。
現在、ガソリンには、1リットルあたり48.6円の「揮発油税」がかけられています。この税率、本来は半分であったものが、第一次オイルショックの時に「暫定的に」2倍にされ、そのままの状態が34年も続いています。そして、いわゆる道路特定財源として道路建設に使われてきました。自民党・公明党の皆さんは、この仕組みを、さらに10年間維持すると決めたわけです。
私たち民主党は、道路特定財源を、道路建設に限らず、教育や福祉や環境対策などに使えるようにする一般財源化を主張しています(その背景には、道路特別会計が、利権の温床であり、税金のムダ使いの元凶になっているという認識があります)。もちろん、一般財源化にともない特定財源を前提とした暫定税率部分も廃止することになりますから、結果としてガソリンもリッター約25円値下がりすることになります。
これに対して、特定財源・暫定税率維持派の政府与党は、いろいろな反論を試みています。たとえば、「ガソリン税を一般財源化してしまったら、必要な道路が作れなくなってしまう」とか、「ガソリン税を値下げしたら、皆が贅沢にガソリンを消費するようになってしまうので、CO2の発生が増大する」などと主張しています。そして、「暫定税率を廃止すると2兆6千億円の穴が空いてしまうが、その部分の財源の手当てをしないのは無責任だ」などと民主党を批判しています。
しかし、政府が「必要な道路を整備する」などと言いながら、誰も利用しないムダな道路を作りまくってきたことは、皆さんご存知の通りです。今までムダなものをさんざん作っておいて、減税の話が出てきたとたんに、「それじゃあ本当に必要な道路を作るのもやめなければいけませんね」というのは、かなりタチの悪い恫喝ではないでしょうか。
さらに、道路特定財源は、一部でとんでもない使われ方をしていることが発覚しています(報道では、卓球のラケットを買ったり、職員の宿舎を建てたり、官僚が乗り回す車を買ったりといったことが伝えられています)。しかも毎年数千億円の単位でお金が余っているのです。この状態を放置したままで、「財源、財源」と騒ぎ立て、「お金が足りないから税金を2倍よこせ」などというのは、それこそ無責任なのではないかと思います。
また、政府はガソリン税がCO2削減に寄与していると主張したいようですが、ガソリンの消費量はガソリン価格が上がっても減らないというのが統計上の現実です(需要の価格弾力性はゼロに近いのです)。それに、そもそも道路建設自体が(森林伐採や生物の棲息環境の破壊など)環境負荷の高い事業です。逆に、一般財源化すれば、お金を環境対策に充てることも可能になるし、代替的な公共交通の整備に振り向けることにより渋滞の解消やCO2の発生の削減につながるというものです。そして何より、本当に必要な道路にだけ税金を使うという当たり前のことが実現できるのです。
今の国会は、「ねじれ」現象のおかげで、与野党どちらの主張が通るか、全く見えない状態です。私たちの信じるところを皆様にご納得頂けるよう、私も精一杯頑張りたいと思います。