【ブリュッセル=井田香奈子】集団殺害(ジェノサイド)などに関与した個人の刑事責任を問う国際刑事裁判所(ICC、オランダ・ハーグ)の加盟国は、「侵略の罪」をICCが所管する犯罪に含めることに決めた。ウガンダで開いていたICCのあり方に関する検討会議で12日、合意した。
ICCがこれまで所管していたのはジェノサイド、人道に対する罪、戦争犯罪で、侵略の罪に関してはオブザーバーの米国などが反対し、推進派のドイツやベルギーとの間で意見が対立していた。
今回の合意では、侵略の罪にあたるかどうかの判断権限は一義的には国連安全保障理事会が持つとする一方、ICCにも独立した捜査権を認めることにした。
ただ、米国、中国、ロシアなどの非加盟国は捜査対象にならないことから、日本などは批判している。改正条約の発効は2017年以降になる見通し。