4回裏1死、金子誠の打球にグラブを差し出す川井=札幌ドームで(由木直子撮影)
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神話が崩れた。昨シーズン日曜日に10勝無敗と圧倒的な強さを誇った“サンデー川井”が、5イニングも持たずにマウンドから消えた。4失点での今季初黒星。日曜日に限れば05年10月2日の広島戦(ナゴヤドーム)以来、実に5年ぶりの敗戦投手に。試合後の川井は「何も言えません」と口をつぐみ、敗れた責任を背負った。
制球力に優れていたはずの川井がなぜか「制御不能」に陥った。1回、先頭の田中賢に四球を与えると3番稲葉、5番糸井も立て続けに歩かせた。自ら2死満塁のピンチを招き、二岡には1ストライク2ボールからストライクを取りにいったような甘い直球を左翼線へ走者一掃の3点二塁打された。
谷繁が振り返る。「点の取られ方が悪すぎた。ヒット1本で3点だから」。これまで3試合の先発では合計3つの四死球しか与えていなかった。そんな左腕のまさかの大乱調。自滅的に献上した3点が、試合の流れを決定付けてしまった。
12日の日本ハム戦では中田賢が4イニングで3発を浴びてKOされており、2日連続となる先発の背信。チームはただでさえ先発投手に不安を抱えている。サンデー神話の崩壊とともに、投手陣には深刻なダメージが残った。 (木村尚公)
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