ついに借金1を背負った。13日の日本ハム戦(札幌)で2試合連続の完封負けを喫した中日。川井雄太投手(29)は制球を乱し、打線も打つ手なし。セットアッパーの高橋聡文投手(27)にも故障発生のもよう。落合監督はどう打開していくのか。
◆日本ハム5−0中日
間違いなく今季最大の窮地を迎えている。3月31日以来、74日ぶりの借金1。試合後、落合監督は静かに口を開いた。「何にも得るもののない試合でした」。先発の川井は自滅で炎上。打線は2戦連続の零封負け…。確かに得るものはない。さらに、たかが1敗といえない厳しい現実が落合竜を襲っていた。
試合開始直後、荷物をまとめて札幌ドームを後にする高橋の姿があった。貴重な左のセットアッパーがベンチ入りせずにそのまま帰名。詳細は不明だが、原因は左肩の違和感のよう。まだ出場選手登録は抹消されていないが、病院の検査次第では長期離脱する可能性がある。
それだけではない。5回裏、森野がグラウンドから消えた。ここまでフルイニング出場を続けていた主力打者の途中交代について落合監督は「知らない。分からない」と明言を避けた。森野も多くを語ろうとしなかった。試合後、「次の試合(16日の日本ハム戦)には出ますから」と話したのは救いだが、何らかのアクシデントがあったことは否めない。
頼れるセットアッパーと頼れる3番打者のアクシデント。すでに頼れる井端は足痛という形でチームを離脱している。先発陣に目を向けても背中の違和感でファーム調整中の吉見は交流戦明けに戻ることができるとしても、現在、安定した成績を残しているのはチェンだけ。あらゆる“部署”にほころびが出ている。
「きょうはなかなか甘い球がなかった。4番のプレッシャー? プレッシャーはいつも感じていること。とにかく打っていくしかない。また頑張るしかないんです」
4番に座って3試合目を迎え、この日は3打数無安打だった和田が気丈に前を向いた。日本ハムとの負け越しも、交流戦の負け越しも決まったこの日。こんな窮地こそ落合監督の腕の見せどころ、必ず立て直すはずだ。
◆高橋、左肩に違和感
高橋は試合開始間もなく中田賢とともに札幌ドームを離れた後、新千歳空港から名古屋に戻った。
ここ数日、試合前の練習には参加していたが、ランニング主体の調整が続き、球を強く投げる動作を手控えていた。違和感があるという左肩の状態が悪化し、首脳陣は投げられる状態ではないと判断。緊急帰名させたようだ。
「急に悪くなったというわけではないです。明日、(医者の)診察を受けます。復帰時期? 分かりませんが、明日次第だと思います…」と言葉少なに語った高橋。14日にも登録抹消されるのが濃厚だ。
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