探査機「はやぶさ」と管制室の交信を中継してきた臼田宇宙空間観測所のパラボラアンテナ=13日、佐久市上小田切 |
はやぶさは夢を与えてくれた−。宇宙航空研究開発機構の小惑星探査機「はやぶさ」が長旅を終えた13日、はやぶさと地球の交信を支えてきた宇宙機構の臼田宇宙空間観測所がある佐久市でも、宇宙ファンらが帰還を喜んだ。
同市上小田切の同観測所にある直径64メートルのパラボラアンテナは、はやぶさの打ち上げから約7年間、宇宙機構の管制室(相模原市)との交信を中継し続けてきた。2005年11月の小惑星「イトカワ」への着陸成功後、姿勢を崩して交信が途絶えた際も、約7週間後の06年1月にはやぶさからの弱い電波をとらえたのはこのアンテナだった。
13日は千葉県流山市の会社員森田素生さん(30)ら3人が同観測所を訪れ、パラボラアンテナを写真に収めていた。森田さんが訪れるのはイトカワ着陸時に続き2度目。故障で帰還は3年も延びたが「よく帰ってきた。お帰りなさいと言ってあげたい」と話していた。
日本宇宙少年団佐久分団の子どもたちに宇宙について教えている佐久市子ども未来館学芸員の碓氷英之さん(35)は「佐久市は宇宙が身近なところ。小惑星まで行って奇跡的に戻り、子どもに夢を与えてくれた」と喜んでいた。
はやぶさの位置を捕捉し、状態を監視してきた同観測所は13日午後3時にはやぶさとの交信中継を終え、内之浦宇宙空間観測所(鹿児島県肝付町)に引き継いだ。