過激な性描写を含む漫画などを子どもに売れないようにするため、東京都が提案した青少年健全育成条例の改正案が14日、都議会総務委員会で民主党などの反対で否決された。16日の本会議でも否決される見通し。都は条文を見直し、9月議会にも再提案する方針だ。
採決では自民、公明両党が「子どもを守るために必要」として賛成したが、過半数を占める民主、共産両党と生活者ネットワーク・みらいは「創作に重大な影響を及ぼす恐れがある」などと主張して反対した。
都は2月、改正案を都議会に提出したが、漫画家らが「条文の表現があいまいで、規制対象が恣意(しい)的に決められ、表現の自由が侵される恐れがある」などと反発。継続審議になった。
都は4月以降、規制基準などを説明する問答集を公表。具体的な漫画の場面などを明示するなどして理解を求めてきた。しかし、漫画家らの批判は収まらず、民主党は「性教育のあり方を含め根本的な議論をやり直すべきだ」として、改正案に反対する方針を決めた。
否決を受け、都は「あいまい」とされた条文の見直しなどを進めるという。