相撲協会隠ぺい疑惑…木瀬親方が暴力団と交際告白

北の湖部屋の前で報道陣の質問に答える木瀬親方

　大相撲の暴力団観戦問題へ関与したとして日本相撲協会から部屋閉鎖の厳罰を受けた木瀬親方（元幕内・肥後ノ海）が１３日、都内で数年前まで暴力団と交際していた事実を告白した。同親方は処分を受けた５月２７日の理事会でも報告したと明かしたが、協会側はこれを全面否定した。ただ、愛知県警と協会の内部調査で交際を認めていたことは明白で、公表しなかった協会は、またも対応の甘さを露呈した。

　木瀬親方が理事会で暴力団と交際していた事実を明かした。江東区の北の湖部屋で「３年前まで差し入れとか飲食店で会ったことがあり、理事会でちゃんと説明しました」と断言した。

　暴力団観戦問題は５月２７日の理事会で木瀬親方と清見潟親方（元幕内・大竜川）が関与したとして処分を受けた。協会の発表は清見潟親方がけん責、木瀬親方は２階級降格と部屋閉鎖という厳罰で、処分に大きな格差が出た。理事会後の会見で広報部の陸奥部長（元大関・霧島）は、チケットを４～５年前から手配しており「（木瀬親方が）知らなかったでは済まされない」と罰則の違いを説明していた。

　この日、陸奥部長は木瀬親方の“自白”を全面否定した。「理事会で木瀬親方はそんな発言はしていません。処分の理由は会見で発表した通りです」と断言。木瀬親方が理事会で暴力団との交際を認めたことが事実ならば、これまで協会は公表せず隠ぺいをはかったとの見方も浮上する。陸奥部長は「そんなことはしていません」と隠ぺい疑惑も全面否定した。

　複数の関係者によると木瀬親方は愛知県警、協会の内部調査の段階で、数年前まで暴力団との交際の事実を認めていたという。理事会では過去の調査の中での証言を公表したもようで、この日の木瀬親方の発言の意図もそこにあるとみられる。ただ、調査の過程で交際を認めていたことは処分を決める上での重大な要因であり、公表すべきなのは明白だ。１４日は、賭博問題で力士、親方らからの自己申告の期限。加えて監督官庁の文科省から協会幹部への事情聴取も始まる。疑惑を断ち切るためにも武蔵川理事長（元横綱・三重ノ海）が正々堂々と会見を行い、説明を行ってほしい。