日本の小惑星探査機「はやぶさ」が13日夜、地球に帰還しました。「はやぶさ」から分離された小惑星の石が入っている可能性のあるカプセルは、オーストラリアの砂漠に予定どおり落下しており、宇宙航空研究開発機構は、14日午後からカプセルの回収作業を本格化させることにしています。
「はやぶさ」は日本時間の13日午後11時前、大気圏に突入し、本体は燃え尽きましたが、小惑星の石が入っている可能性のあるカプセルは分離され、オーストラリア南部のウーメラ砂漠のほぼ予定どおりの場所に落下しました。現地では、花火のように輝きながら燃え尽きていく「はやぶさ」本体や、赤い球となって落下していくカプセルの様子が観測されました。すでにカプセルが落下した場所は特定されており、宇宙航空研究開発機構は、日本時間の14日昼すぎから回収作業を本格化する考えで、カプセルが落下した地点にヘリコプターで回収隊を送り、夕方までには回収作業を終えたいとしています。そして、回収したカプセルを厳重に密封したうえで空輸し、相模原市中央区にある分析のための専用の施設に運び込むことになっています。太陽系の誕生当時の姿をとどめるとされる小惑星の石を持ち帰ることができれば、世界初の快挙で、地球誕生の謎の解明につながる手がかりが得られると期待されており、今後の分析結果に注目が集まっています。