関連記事
1キロ圏内で抗体検査 農水省委が方針
予防的殺処分をあらためて否定 農水副大臣
47時間で防疫完了 都城の初動態勢
ブランド復活に備え 牛舎分散し厳戒継続
バーベキューで宮崎応援 6都県で一斉イベント
独自に消毒液散布 感染防止へ延岡市民有志
感染地域で選挙活動自粛を 現職陣営申し入れ
「指示書は『非公式』」 首相補佐官が釈明
一般家庭の消毒は? 暮らしの疑問Q&A
【連載企画】口蹄疫同時多発(下)
「国家的危機」と認識 首相来県、農家らに面会
もっと深刻な現場見て 農家、防疫主導注文も県
本音で議論できた 意欲感じ首長ら好感
主力種牛5頭抗体検査も陰性 尾八重の制限解除
20日までに埋却を 国の方針、知事が指示
国、責任回避か 官房長官名で「指示書」
九州南部梅雨入りで作業遅れ懸念
新富の1農場の豚に感染疑い
ワクチン接種家畜埋却終了 日向
県境6カ所の通行止め開始 鹿児島県曽於市

ブランド復活に備え 牛舎分散し厳戒継続
(2010年6月14日付)
5頭は現在、県が避難場所に新設した鉄筋コンクリート製の牛舎2棟で飼育されている。それぞれの牛舎は約500メートル離れており、5月末から2頭と3頭に分けられた。牛舎の各部屋は幅3・5メートル、奥行き4メートル。
制限解除後も引き続き1頭ごとに面倒を見る飼養管理者を付け、餌やふん出しなどを実施。人の出入りを極力制限するなど、感染防止に細心の注意を払う。5頭は新牛舎での生活にも慣れ、健康そのものという。
県が「特例」として、移動制限区域内にある県家畜改良事業団(高鍋町)からトラック2台で6頭の移動を開始したのは5月13日昼。途中、予定していた西米良村の避難先周辺に畜産農家があることが分かり、急きょ西都市尾八重の山中に変更。到着したのは14日夕方だった。
最初の“仮住まい”は木製の簡易牛舎。県によると、牛房(部屋)は七つあり、移動のストレスで興奮状態にあった「忠富士」を5頭と1部屋(幅約2メートル)空けて飼育していた。ただ、壁で隔てられていたものの、天井部分はすき間があり、各部屋がつながった状態だった。
ウイルスの潜伏期間(7〜10日間)を考慮した1週間の遺伝子検査で、忠富士が口蹄疫に感染していることが判明。5頭についても悲観的な見方が広がっていた。
その後、国との協議を経て、2週間延長された連日の遺伝子検査を5頭はクリア。関係者は「忠富士と同じ牛舎で飼育していたことを考えると、幸運が重なり奇跡的だった」と振り返った。
【写真】種雄牛の避難のため新設された牛舎=西都市尾八重(県提供)