小惑星探査機「はやぶさ」の帰還に日本中が熱狂
13日、日本国民の視線が夜空に注がれた。金星のような光を放ち、7年ぶりに姿を現した小惑星探査機「はやぶさ」を一目見るためだった。「はやぶさ」はこの日夜7時51分ごろ、小惑星から採取した試料を載せたとみられるカプセルを切り離した後、大気圏に突入し燃え尽きた。カプセルは10時52分に大気圏へ突入し、落下傘を開いて、オーストラリア南部の砂漠に落下した。
「はやぶさ君」というあだ名が付いた小惑星探査機の地球帰還に、日本中が熱狂した。今から7年前に「はやぶさ」を打ち上げた、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙科学研究所(ISAS)には、帰還成功を祝う約1900通ものメッセージが寄せられた。また、「はやぶさ」が帰還する日に、夜空を見上げながら一杯飲もう、という趣旨で、「はやぶさ帰還記念酒」まで発売された。
2003年に打ち上げられた「はやぶさ」は、月以外の天体に着陸し、小惑星から試料を採取して地球に帰還した、世界初のケースだ。05年、地球から3億キロ離れた小惑星「イトカワ」に着陸し、直径1センチの金属製の弾丸を、秒速300メートルで発射するのに成功した。JAXAは、このとき舞い上がった岩石のかけらを、「はやぶさ」がカプセルに納めるのに成功した、と確信している。科学者たちは、この試料を分析することにより、45億年前に太陽系が誕生した当時の状況について、手掛かりを得られるものと期待している。日本の関係機関は14日からカプセルを回収し、試料を分析する作業に着手する。
だが、日本国民が今、「はやぶさ」の帰還に熱狂しているのは、その成果のためではない。日本メディアによると、JAXAに寄せられたメッセージには、「君に出会えたことで人生が変わった」「たとえカプセルに何も入っていなかったとしても、戻ってきたというだけで、金メダル100個分の喜びを感じる」といったものが多かったという。日本経済新聞は、「7年の歳月をかけ、60億キロもの孤独な長旅を経て、満身創痍(そうい)の状態で地球に無事帰還した探査機が、日本人の間で共感を呼んでいる」との見方を示した。
日本が独自に開発したM-Vロケットに搭載され、宇宙へ旅立った「はやぶさ」が帰還するまでの道のりは、失敗の連続だった。エンジン4基のうち3基が破損し、また姿勢制御装置3台のうち2台が故障した。小惑星に着陸した後も、7週間にわたって通信が途絶え、JAXAは「はやぶさ」が宇宙で「迷子」になったものとみて、あきらめかけていた。当初の帰還予定(07年)より3年も遅れたのは、「はやぶさ」の帰還がどれだけ困難を極めたかを物語っている。そんな「はやぶさ」が一般人の関心を集めたのは、JAXAの研究員たちが「はやぶさ」を擬人化し、その波乱万丈に満ちた旅を、「はやぶさ君の冒険日誌」という童話仕立ての物語で綴りウェブサイト上で紹介したためだ。
日本は1975年、米国が製作した1段目のロケットに、独自の技術で開発した2段目のロケットをつないで、打ち上げに成功した。だがその後、純国産ロケットの開発に着手したものの、数々の試行錯誤や失敗を繰り返した。「はやぶさ」を打ち上げたM-Vロケットも、これまでに計7回の打ち上げを行ったが、2000年の4号機の打ち上げは失敗に終わっている。
東京=鮮于鉦(ソンウ・ジョン)特派員
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